GB22-1, GB22-2 及びKH23-1 航海においてトカラ列島周辺海域で採取された 堆積岩の石灰質微化石に基づく堆積年代

トカラ列島周辺海域で実施されたGB22-1,GB22-2及びKH23-1航海において得られた堆積岩について,年代決定に有効な石灰質微化石(石灰質ナノ化石・浮遊性有孔虫)の検討を行った.示準化石の産出が認められた試料は,全体として下部鮮新統以上の国際標準化石帯(CN10–CN15帯/ PL5–PT1帯)に対比される.石灰質ナノ化石CN10c–CN13a亜帯の試料群は,琉球弧に広く分布する島尻層群中–上部相当の地質体に由来すると考えられる.CN14帯に対比される試料群は,更新世における活発な火山活動を背景とした地質体形成を示唆する.またCN14b–CN15帯に属する地質体の調査海域における分布は,...

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Published in地質調査研究報告 Vol. 75; no. 5-6; pp. 209 - 222
Main Authors 有元, 純, 田中, 裕一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 27.12.2024
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ISSN1346-4272
2186-490X
DOI10.9795/bullgsj.75.5-6_209

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Summary:トカラ列島周辺海域で実施されたGB22-1,GB22-2及びKH23-1航海において得られた堆積岩について,年代決定に有効な石灰質微化石(石灰質ナノ化石・浮遊性有孔虫)の検討を行った.示準化石の産出が認められた試料は,全体として下部鮮新統以上の国際標準化石帯(CN10–CN15帯/ PL5–PT1帯)に対比される.石灰質ナノ化石CN10c–CN13a亜帯の試料群は,琉球弧に広く分布する島尻層群中–上部相当の地質体に由来すると考えられる.CN14帯に対比される試料群は,更新世における活発な火山活動を背景とした地質体形成を示唆する.またCN14b–CN15帯に属する地質体の調査海域における分布は,後期第四紀地質構造発達史の解明のために重要な地質情報を提供する.
ISSN:1346-4272
2186-490X
DOI:10.9795/bullgsj.75.5-6_209