感染を伴う尿路結石症患者の尿中細菌が尿中結晶成分の付着に果たす役割について 走査型電子顕微鏡による観察
尿路結石の成長における細菌の関与を検討するため, 感染を伴う上部尿路結石症患者4例より採取された尿検体中に数種の縫合糸を4時間浸漬した. なお, 対照は健康成人3例, 単発性結石患者4例, 多発性および再発性結石患者4例について同時に検索した. 健康成人および単発性結石症患者に比し, 多発性および再発性結石症患者例では尿中結晶成分および有機成分が多く縫合糸に付着する傾向がみられた. 感染を伴う尿路結石症例では, より多量の尿中結晶成分や有機成分がより早期から縫合糸に付着するのが観察された、細菌の縫合糸への付着は他の尿中結晶成分および有機成分の付着に先行していた. 以上の成績より, 細菌はその付...
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          | Published in | 日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 78; no. 8; pp. 1330 - 1336 | 
|---|---|
| Main Authors | , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            社団法人 日本泌尿器科学会
    
        20.08.1987
     The Japanese Urological Association 社団法人日本泌尿器科学会  | 
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0021-5287 1884-7110  | 
| DOI | 10.5980/jpnjurol1928.78.8_1330 | 
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| Summary: | 尿路結石の成長における細菌の関与を検討するため, 感染を伴う上部尿路結石症患者4例より採取された尿検体中に数種の縫合糸を4時間浸漬した. なお, 対照は健康成人3例, 単発性結石患者4例, 多発性および再発性結石患者4例について同時に検索した. 健康成人および単発性結石症患者に比し, 多発性および再発性結石症患者例では尿中結晶成分および有機成分が多く縫合糸に付着する傾向がみられた. 感染を伴う尿路結石症例では, より多量の尿中結晶成分や有機成分がより早期から縫合糸に付着するのが観察された、細菌の縫合糸への付着は他の尿中結晶成分および有機成分の付着に先行していた. 以上の成績より, 細菌はその付着能により尿路結石の成長の重要な促進因子であることが示唆された. | 
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| ISSN: | 0021-5287 1884-7110  | 
| DOI: | 10.5980/jpnjurol1928.78.8_1330 |