超音波法による運動選手の大腿伸筋群の発達について
本研究は超音波法を体育学の分野に応用し, 運動選手の大腿伸筋群の発達程度について検討するとともに, その競技特性と選手の形態について検討することを目的としている。 超音波断層画像撮影は先に著者らが報告した方法に従って行った。超音波断層画像の計測に当たっては超音波断層画像上に基準線TL, TL1, TL2基準線を設定し, 各基準線上で同様の計測を行い, 基準線TL, TL1, TL2のうち筋の計測のために基準線としてどれが最も妥当であるかについて検討を加えた。その結果, 大腿前面の筋の厚さは基準線TL上で計測するのが最も妥当であると考えられ, 基準線TL上での計測値を本研究の資料として用いた。...
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| Published in | スポーツ教育学研究 Vol. 8; no. 1; pp. 51 - 58 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | English Japanese |
| Published |
日本スポーツ教育学会
31.05.1988
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0911-8845 1884-5096 |
| DOI | 10.7219/jjses.8.51 |
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| Summary: | 本研究は超音波法を体育学の分野に応用し, 運動選手の大腿伸筋群の発達程度について検討するとともに, その競技特性と選手の形態について検討することを目的としている。 超音波断層画像撮影は先に著者らが報告した方法に従って行った。超音波断層画像の計測に当たっては超音波断層画像上に基準線TL, TL1, TL2基準線を設定し, 各基準線上で同様の計測を行い, 基準線TL, TL1, TL2のうち筋の計測のために基準線としてどれが最も妥当であるかについて検討を加えた。その結果, 大腿前面の筋の厚さは基準線TL上で計測するのが最も妥当であると考えられ, 基準線TL上での計測値を本研究の資料として用いた。 結果は以下のとおりである。 (1) ラグビー選手のモアレ縞最突出点における左右の大腿伸筋群の厚さは全体的にバレーボール選手やサッカー選手より大きい値を示した。 (2) バレーボール選手とサッカー選手のモアレ縞最突出点における左右の大腿伸筋全体の厚さはほぼ同じ値を示していたが, 大腿直筋の厚さはサッカー選手がバレーボール選手より大きく, 逆に, 中間広筋の厚さはバレーボール選手のほうが大きい傾向がみられた。 (3) 大腿直筋および中間広筋の弛緩時の値に対する緊張時の値の割合について検討したところ, 緊張時に大腿直筋の厚さは増大し, 逆に, 中間広筋は減少するという一定の傾向がどのグループにもみられ, その値はほぼ等しく, 差はみられなかった。 |
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| ISSN: | 0911-8845 1884-5096 |
| DOI: | 10.7219/jjses.8.51 |