陥凹型早期十二指腸癌の1例

陥凹型早期十二指腸癌は極めてまれな疾患である. 今回, 我々は透析患者に陥凹型早期十二指腸癌を合併した1例を経験したので報告する. 症例は56歳の男性. 昭和52年より慢性腎不全のため透析を導入していた. 平成9年胃腺腫をぽりぺくとみーし, その後, 平成10年2月の内視鏡検査で, 十二指腸下行脚のVater乳頭対側前壁寄りに6×4mmの軽度の隆起を伴う浅い陥凹性病変を認めた. 生検の結果, 高分化型腺癌であったため, 当科紹介. 入院後, 内視鏡的粘膜切除 (EMR) を試みたが成功せず. くりっぷによるまーきんぐを行った後, 十二指腸楔状切除術を施行した. 病理組織検査の結果, well...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 33; no. 4; pp. 477 - 481
Main Authors 永田, 直幹, 伊藤, 英明, 平野, 芳昭, 中山, 善文, 門脇, 康二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2000
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.33.477

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Summary:陥凹型早期十二指腸癌は極めてまれな疾患である. 今回, 我々は透析患者に陥凹型早期十二指腸癌を合併した1例を経験したので報告する. 症例は56歳の男性. 昭和52年より慢性腎不全のため透析を導入していた. 平成9年胃腺腫をぽりぺくとみーし, その後, 平成10年2月の内視鏡検査で, 十二指腸下行脚のVater乳頭対側前壁寄りに6×4mmの軽度の隆起を伴う浅い陥凹性病変を認めた. 生検の結果, 高分化型腺癌であったため, 当科紹介. 入院後, 内視鏡的粘膜切除 (EMR) を試みたが成功せず. くりっぷによるまーきんぐを行った後, 十二指腸楔状切除術を施行した. 病理組織検査の結果, well differentiated adenocarcinomaでm, ly0, v0, n0, 切除断端に癌細胞は認められなかった. 本症例は, 本邦における陥凹型早期十二指腸癌の25例目で, 透析患者に発生した最初の報告である.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.33.477