置換弁心内膜炎の外科治療 特に活動期の手術手技と術後成績について
置換弁心内膜炎(以下, PVE)の自験例について手術手技と術後成績を検討した。教室で過去9年間に経験した外科治療を要したPVE症例は8例である。非活動期まで手術待機可能であったのは3例, 活動期での手術は5例であった。活動期手術の原因としては, 遷延する感染が3例, mycoticaneurysm破裂, leakageがそれぞれ1例であった。活動期での術式は, AVR2例, AVR+mycotic aneurysm入口部閉鎖術1例, AVRが施行できず上行大動脈グラフと置換術にleakage修復術を加えた症例が1例, 大動脈弁輪補強術のみを行った症例が1例であり, 2例を失った。生存曲線を比較...
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| Published in | 人工臓器 Vol. 19; no. 1; pp. 359 - 361 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
15.02.1990
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| ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
| DOI | 10.11392/jsao1972.19.359 |
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| Summary: | 置換弁心内膜炎(以下, PVE)の自験例について手術手技と術後成績を検討した。教室で過去9年間に経験した外科治療を要したPVE症例は8例である。非活動期まで手術待機可能であったのは3例, 活動期での手術は5例であった。活動期手術の原因としては, 遷延する感染が3例, mycoticaneurysm破裂, leakageがそれぞれ1例であった。活動期での術式は, AVR2例, AVR+mycotic aneurysm入口部閉鎖術1例, AVRが施行できず上行大動脈グラフと置換術にleakage修復術を加えた症例が1例, 大動脈弁輪補強術のみを行った症例が1例であり, 2例を失った。生存曲線を比較すると, 自己弁心内膜炎活動期手術の3年生存率が81.9%であるのに対し, PVE活動期手術例では60.0%と低値を示した。NVE活動期の手術には初回手術より根治性の高い術式を選択し, PVEへの移行を防ぐことが重要であり, 外科治療の時期を逸しないことが成績向上につながると考える。 |
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| ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
| DOI: | 10.11392/jsao1972.19.359 |