在宅血液透析患者に対する安全な除水管理システム 新しい循環血液量連動自動除水速度制御装置の応用

我々は循環血液量監視装置を用いた新しい自動除水速度制御装置を開発してきた。本装置は血液透析中の循環血液量をモニターして, 除水速度を自動的に制御する機構を備えている。今回我々は本装置を在宅血液透析患者に応用する方法を開発したので報告する。本装置は合併症を持つ入院透析患者に対して適応され, 透析中の血圧低下の頻度が著しく低下し, その高い安全性が認められた。さらに, 本装置は透析中の血圧, 循環血液量, 除水速度, 血流量, 血液温度, 血中酸素飽和度などが自動的にコンピュータに記録されるシステムを備えており, この機構を用いて在宅血液透析患者の透析記録を管理し, さらにコンピュータネットワーク...

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Published in人工臓器 Vol. 29; no. 1; pp. 281 - 283
Main Authors 斎藤, 明, 田中, 進一, 北村, 真
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.02.2000
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.29.281

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Summary:我々は循環血液量監視装置を用いた新しい自動除水速度制御装置を開発してきた。本装置は血液透析中の循環血液量をモニターして, 除水速度を自動的に制御する機構を備えている。今回我々は本装置を在宅血液透析患者に応用する方法を開発したので報告する。本装置は合併症を持つ入院透析患者に対して適応され, 透析中の血圧低下の頻度が著しく低下し, その高い安全性が認められた。さらに, 本装置は透析中の血圧, 循環血液量, 除水速度, 血流量, 血液温度, 血中酸素飽和度などが自動的にコンピュータに記録されるシステムを備えており, この機構を用いて在宅血液透析患者の透析記録を管理し, さらにコンピュータネットワークを通じてリアルタイムに患者家庭と遠隔の透析センターとの間で情報交換を行うことが可能となっている。本システムを在宅血液透析に応用することによつて, (1) 透析中の安全性の向上, (2) 透析記録の容易な管理, (3) リアルタイムで遠隔の透析センターとの情報交換が可能となる。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.29.281