Modified antigen-capture ELISAによる血小板同種抗原Bra/Brbの検出

近年抗血小板抗体の検出法の進歩に伴い, いくつかの新たな血小板同種抗原が発見されており1)~4), また本邦においてもHLA適合血小板の供給が普及するにつれHLA適合血小板輸血不応状態における血小板特異同種抗原の関与が頻度を増している5). Br^a /Br^b 抗原系はKiefelらによって報告された血小板同種抗原で新生児同種免疫血小板減少性紫斑病(NATP)の発症の原因となり膜糖蛋白(GP)Ia上に存在するとされている1)6). 一方, これまでに報告されている血小板同種抗原のうちGPIIIa上に存在するP1^A とYuk(Pen)は, その表現頻度に人種間で大きな差があるため病態の頻度と...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 36; no. 6; pp. 713 - 716
Main Authors 降旗, 謙一, 古田, 精市, 石田, 文宏, 緒方, 洪之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 30.12.1990
日本輸血学会
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ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.36.713

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Summary:近年抗血小板抗体の検出法の進歩に伴い, いくつかの新たな血小板同種抗原が発見されており1)~4), また本邦においてもHLA適合血小板の供給が普及するにつれHLA適合血小板輸血不応状態における血小板特異同種抗原の関与が頻度を増している5). Br^a /Br^b 抗原系はKiefelらによって報告された血小板同種抗原で新生児同種免疫血小板減少性紫斑病(NATP)の発症の原因となり膜糖蛋白(GP)Ia上に存在するとされている1)6). 一方, これまでに報告されている血小板同種抗原のうちGPIIIa上に存在するP1^A とYuk(Pen)は, その表現頻度に人種間で大きな差があるため病態の頻度とも関連しており2)3), Brに関してもその頻度を知り人種間の比較を試みることは意義深いと考えられる. Br抗原及び抗体は, これまでのwholeの血小板を用いた方法では同定困難とされており, monoclonal antibody-specific immobilization of platelet antigens (MAIPA) assayにより一般的には同定されている1)6). 更に, 抗血小板同種血清が抗Br^a +抗Bak^a のように複数の抗体を含む場合があり7)このような抗体の同定の際もwhole plateletを用いた方法では検討が非常に困難である. 以前より我々は, antigen-capture ELISA(ACE)により血小板抗原及び抗体を検討してきたが8), 今回, modified antigen-capture ELISA(MACE)によりBr^a /Br^b 抗原の同定を試み, あわせて長野県内の日本人における表現頻度を検討したので報告する.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.36.713