全国学力学習状況調査を利用した中学校理科教員志望の大学生の理科の学力調査 琉球大学を例に
中学生の学力向上に寄与する中学校理科教員養成の在り方を検討するため, 琉球大学で中学校理科教員免許の取得を希望する教育学部と理学部の学生35名に, 2012年に実施された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の中学校理科の問題(26問)を解答させ, その解答状況や比較的正答率の低い問題の誤答傾向を分析した。その結果, 彼らの平均正答数は19.6で, 各設問別正答率の平均は75.3%であった。この結果をMann-WhiteyのU検定を用いて所属学部別, 性別, 出身地別で比較したが, 全ての観点別で今回の全国学力テストの正答数に有意差は見られなかった。誤答内容や無解答の一部にはケアレスミスに起...
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Published in | 理科教育学研究 Vol. 55; no. 1; pp. 131 - 138 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本理科教育学会
12.06.2014
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2614 2187-509X |
DOI | 10.11639/sjst.sp13002 |
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Summary: | 中学生の学力向上に寄与する中学校理科教員養成の在り方を検討するため, 琉球大学で中学校理科教員免許の取得を希望する教育学部と理学部の学生35名に, 2012年に実施された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の中学校理科の問題(26問)を解答させ, その解答状況や比較的正答率の低い問題の誤答傾向を分析した。その結果, 彼らの平均正答数は19.6で, 各設問別正答率の平均は75.3%であった。この結果をMann-WhiteyのU検定を用いて所属学部別, 性別, 出身地別で比較したが, 全ての観点別で今回の全国学力テストの正答数に有意差は見られなかった。誤答内容や無解答の一部にはケアレスミスに起因すると推察できるものもあったが, 彼らの設問別正答率と中学生の設問別正答率との間には強い正の相関が見られたことから, 中学生の正答率が低い問題は琉球大学で中学校理科教員免許の取得を希望する学生の正答率も低いといえる。この結果から, 中学校理科教員免許の取得を希望する大学生は論理的に記述したり条件に見合った内容で記述したりすることできるような表現力を習得すべきであることが示唆される。 |
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ISSN: | 1345-2614 2187-509X |
DOI: | 10.11639/sjst.sp13002 |