高校生の高齢者支援体験の成果と課題 高校・行政・企業の連携による「かんたん!スマホ相談会」の試み
少子高齢化が進む広島県B郡B町では, C社CSR本部と連携し, 町内の65歳以上の高齢者を対象としたスマホ相談会の取り組みを開始し, 広島県立A高等学校生活福祉科の生徒に協力を依頼した. 本研究では, A高等学校, B町企画課, C社CSR本部が協同して実施した「かんたん!スマホ相談会」の成果と課題について, 参加した高校生と高齢者の両面から質問紙調査を用いて検証し, 高校生による効果的な高齢者の支援方法への示唆を得ることを目的とした. その結果, 「かんたん!スマホ相談会」の取り組みは, 高齢者の生活課題の解決だけではなく, 高校生の福祉関連科目に対する学習成果の認識, 高齢者の悩みに対する...
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Published in | 日本家政学会誌 Vol. 75; no. 10; pp. 510 - 522 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本家政学会
2024
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0913-5227 1882-0352 |
DOI | 10.11428/jhej.75.510 |
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Summary: | 少子高齢化が進む広島県B郡B町では, C社CSR本部と連携し, 町内の65歳以上の高齢者を対象としたスマホ相談会の取り組みを開始し, 広島県立A高等学校生活福祉科の生徒に協力を依頼した. 本研究では, A高等学校, B町企画課, C社CSR本部が協同して実施した「かんたん!スマホ相談会」の成果と課題について, 参加した高校生と高齢者の両面から質問紙調査を用いて検証し, 高校生による効果的な高齢者の支援方法への示唆を得ることを目的とした. その結果, 「かんたん!スマホ相談会」の取り組みは, 高齢者の生活課題の解決だけではなく, 高校生の福祉関連科目に対する学習成果の認識, 高齢者の悩みに対する理解の深化, 地域の高齢者支援に対する意識の向上に効果があると考えられた. また, 高校生による効果的な高齢者支援を実現するためには, ①高校生は高齢者支援の前に高齢者の心身の特徴や接し方に関する知識や技術を身に付けること, ②高校生自身が持っている資質・能力や授業において身に付けた知識や技術を活かすことのできる場面設定をすること, ③高齢者支援の際に困難さを感じる高校生に対してより専門的な知識を有する人員を配置しフォローができる体制を整えることの3点が必要であると推察された. |
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ISSN: | 0913-5227 1882-0352 |
DOI: | 10.11428/jhej.75.510 |