肝過形成結節を伴った先天性門脈欠損症の1例 両者の関連性の観点から

22歳女性の先天性門脈欠損症の1例を報告する.上腸間膜静脈は脾静脈と合流した後, 肝左葉と大動脈の間を上行し, 横隔膜上で下大静脈に合流していた.肝に径6cmの腫瘤性病変を合併しており, 生検の結果, 病理組織学的に過形成結節と診断された.本疾患は半数に何らかの肝腫瘤性病変を合併しており, 合併例の年齢は非合併例に比べて有意に高かった.これは, 門脈欠損症によってもたらされる長期にわたる肝内血行動態の不均衡が肝腫瘤性病変の発生に関与していることを示唆すると考えられる....

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Published in日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会雑誌 Vol. 4; no. 4; pp. 428 - 432
Main Authors 打田, 日出夫, 大石, 元, 廣橋, 伸治, 北野, 悟, 田岡, 俊昭, 吉岡, 哲也, 武輪, 恵, 廣橋, 里奈, 松尾, 尚樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本門脈圧亢進症学会 15.12.1998
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ISSN1341-6375
2187-1213
DOI10.11423/jsph1995.4.4_428

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Summary:22歳女性の先天性門脈欠損症の1例を報告する.上腸間膜静脈は脾静脈と合流した後, 肝左葉と大動脈の間を上行し, 横隔膜上で下大静脈に合流していた.肝に径6cmの腫瘤性病変を合併しており, 生検の結果, 病理組織学的に過形成結節と診断された.本疾患は半数に何らかの肝腫瘤性病変を合併しており, 合併例の年齢は非合併例に比べて有意に高かった.これは, 門脈欠損症によってもたらされる長期にわたる肝内血行動態の不均衡が肝腫瘤性病変の発生に関与していることを示唆すると考えられる.
ISSN:1341-6375
2187-1213
DOI:10.11423/jsph1995.4.4_428