呼吸器疾患患者のセルフマネジメント支援マニュアル 災害対策とセルフマネジメント

我が国は地理的,地形的,気象的状況から,自然災害が多発する地域である.2011年の東日本大震災の教訓を踏まえて,災害対策基本法において,慢性呼吸器疾患患者は“要配慮者”となった.在宅酸素療法患者のみならず,慢性呼吸器疾患患者は,被災による劣悪な環境や,安定期治療の中断などにより,原疾患の増悪が起こりやすい.災害時には医療者などの支援が,迅速かつ十分に患者へ届けられない場合も想定されるため,患者が自らの身を守るための行動がとれるように,セルフマネジメント教育を行う必要がある.災害時における患者の備えや,適切なセルフマネジメント行動は,災害の種類・程度,発生地域の特性などにより異なる.それぞれの疾...

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Published in日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 Vol. 33; no. 1-3; pp. 38 - 44
Main Author 利部, なつみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 22.11.2024
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ISSN1881-7319
2189-4760
DOI10.15032/jsrcr.33.38

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Summary:我が国は地理的,地形的,気象的状況から,自然災害が多発する地域である.2011年の東日本大震災の教訓を踏まえて,災害対策基本法において,慢性呼吸器疾患患者は“要配慮者”となった.在宅酸素療法患者のみならず,慢性呼吸器疾患患者は,被災による劣悪な環境や,安定期治療の中断などにより,原疾患の増悪が起こりやすい.災害時には医療者などの支援が,迅速かつ十分に患者へ届けられない場合も想定されるため,患者が自らの身を守るための行動がとれるように,セルフマネジメント教育を行う必要がある.災害時における患者の備えや,適切なセルフマネジメント行動は,災害の種類・程度,発生地域の特性などにより異なる.それぞれの疾患の特徴や,増悪のリスクファクターを理解して,それらを排除するためのセルフマネジメント教育を行うことが,災害時における適切なセルフマネジメント行動の実践につながる.
ISSN:1881-7319
2189-4760
DOI:10.15032/jsrcr.33.38