小学校知的障害特別支援学級における特別の教育課程の編成及び指導の工夫 担任教師への質問紙調査から
本研究では、小学校知的障害特別支援学級において行われている特別の教育課程の編成の際の教科内容の調整・代替の状況とその理由及び指導の現状を明らかにすることを目的として質問紙調査を行った。その結果、国語と算数以外の教科は当該学年適用の児童が多く、国語と算数のいずれにおいても、下学年適用かあるいは知的障害各教科適用の児童が多かった。国語と算数における内容の調整の度合いが大きいほど、その他の教科の調整の度合いも大きくなった。知的障害各教科の内容に代替している場合は、各教科等を合わせた指導の形態による授業の実施も増加した。下学年適用と知的障害教科代替の理由は、いずれも児童の実態と保護者の希望などに基づく...
Saved in:
| Published in | 障害科学研究 Vol. 49; no. 1; pp. 15 - 27 |
|---|---|
| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
障害科学学会
31.03.2025
|
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1881-5812 2432-0714 |
| DOI | 10.20847/adsj.49.1_15 |
Cover
| Summary: | 本研究では、小学校知的障害特別支援学級において行われている特別の教育課程の編成の際の教科内容の調整・代替の状況とその理由及び指導の現状を明らかにすることを目的として質問紙調査を行った。その結果、国語と算数以外の教科は当該学年適用の児童が多く、国語と算数のいずれにおいても、下学年適用かあるいは知的障害各教科適用の児童が多かった。国語と算数における内容の調整の度合いが大きいほど、その他の教科の調整の度合いも大きくなった。知的障害各教科の内容に代替している場合は、各教科等を合わせた指導の形態による授業の実施も増加した。下学年適用と知的障害教科代替の理由は、いずれも児童の実態と保護者の希望などに基づく判断が大きな割合を占めていた。指導上の工夫をSCATで分析した結果、「学習環境の最適化」があらゆる指導場面でなされているものとして、「学習の法則性の形成」と「個別指導と自己学習の結合」が特別支援学級における授業で、「学級連携と本人、保護者の協力」と「交流及び学習の内容の配慮」が交流学級における授業で、概念化された。 |
|---|---|
| ISSN: | 1881-5812 2432-0714 |
| DOI: | 10.20847/adsj.49.1_15 |