転移性脳腫瘍の集学的治療 診療ガイドラインから未来へ

転移性脳腫瘍は, 目覚ましい速度で発展を続ける腫瘍学の重要な臨床課題である. 転移性脳腫瘍の患者の臨床像はきわめて多様であり, 緊急性のある現場において, 適切に方針を決定し集学的治療を遂行することは容易ではない. 脳腫瘍診療ガイドライン2016をテキストとして, 予後の予測法, 並列提示された治療方法の選択肢から個々の患者に対して最適な治療を選択する実際的な方法, さらに診療ガイドラインの成り立ちと今後の方向について解説した. 診療ガイドラインは最新かつ最良のエビデンスと推奨を取り出すための資料であり, 個々の患者に対して, 短期的な侵襲性が低いこと, 効果が高いことと, 中長期の神経学的毒...

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Published in脳神経外科ジャーナル Vol. 26; no. 9; pp. 668 - 676
Main Authors 中洲, 庸子, 林, 央周, 三矢, 幸一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科コングレス 2017
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ISSN0917-950X
2187-3100
DOI10.7887/jcns.26.668

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Summary:転移性脳腫瘍は, 目覚ましい速度で発展を続ける腫瘍学の重要な臨床課題である. 転移性脳腫瘍の患者の臨床像はきわめて多様であり, 緊急性のある現場において, 適切に方針を決定し集学的治療を遂行することは容易ではない. 脳腫瘍診療ガイドライン2016をテキストとして, 予後の予測法, 並列提示された治療方法の選択肢から個々の患者に対して最適な治療を選択する実際的な方法, さらに診療ガイドラインの成り立ちと今後の方向について解説した. 診療ガイドラインは最新かつ最良のエビデンスと推奨を取り出すための資料であり, 個々の患者に対して, 短期的な侵襲性が低いこと, 効果が高いことと, 中長期の神経学的毒性とのバランスをどのように判断するか, 現場の専門性 (エクスパタイズ) がますます重要視されている.
ISSN:0917-950X
2187-3100
DOI:10.7887/jcns.26.668