Elsberg症候群を呈した急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の2例

尿閉を呈した脳脊髄髄膜炎2症例の臨床的特徴を検討した.いずれも感冒症状後に意識障害や脊髄症・神経根症を伴って発症し,ステロイドが有効であった点,髄液の細胞蛋白の上昇がみられた点などからウイルス感染を契機とした急性散在性脳脊髄炎(ADEM)と診断した.ステロイドを中心とした治療により神経徴候と尿閉は比較的速やかに改善した.尿閉の成因として無菌性髄膜炎に伴う急性仙髄神経根障害とそれに随伴した一過性の括約筋障害(Elsberg症候群)が考えられた....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 94; no. 11; pp. 2379 - 2381
Main Authors 岡本, 憲省, 三木, 哲郎, 中村, 俊平, 浜田, 英里, 小原, 克彦, 奥田, 文悟, 川尻, 真和, 大塚, 奈穂子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 11.11.2005
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.94.2379

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Summary:尿閉を呈した脳脊髄髄膜炎2症例の臨床的特徴を検討した.いずれも感冒症状後に意識障害や脊髄症・神経根症を伴って発症し,ステロイドが有効であった点,髄液の細胞蛋白の上昇がみられた点などからウイルス感染を契機とした急性散在性脳脊髄炎(ADEM)と診断した.ステロイドを中心とした治療により神経徴候と尿閉は比較的速やかに改善した.尿閉の成因として無菌性髄膜炎に伴う急性仙髄神経根障害とそれに随伴した一過性の括約筋障害(Elsberg症候群)が考えられた.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.94.2379