新アミノ配糖体系抗生物質KW-1070にかんする薬理学的研究 第1報中枢および末梢神経系に対する作用
マウス, ラット, ウサギ, ネコおよびモルモットを使用し, 薬物安全性の立場から, KW4070 の中枢神経系および末梢神経系に対する作用を kanamycin (KM) および ribostarnycin (RSM) の作用と比較検討した。(1) KW-1070を筋肉内にあるいは静脈内に大量投与した場合, KMおよびRSMと同様に骨格筋の弛緩作用に基づくと思われる体制運動の抑制と鎮静作用が出現した。(2) KW-1070を大量投与した場合でも, Animex法における自発運動, ptntobarbital麻酔増強作用, 抗痙攣作用, 体温に対する作用, 鎮痛作用, 脳波作用および脊髄反射に...
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| Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 29; no. Supplement2; pp. 76 - 84 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
25.10.1981
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| ISSN | 0009-3165 1884-5894 |
| DOI | 10.11250/chemotherapy1953.29.Supplement2_76 |
Cover
| Summary: | マウス, ラット, ウサギ, ネコおよびモルモットを使用し, 薬物安全性の立場から, KW4070 の中枢神経系および末梢神経系に対する作用を kanamycin (KM) および ribostarnycin (RSM) の作用と比較検討した。(1) KW-1070を筋肉内にあるいは静脈内に大量投与した場合, KMおよびRSMと同様に骨格筋の弛緩作用に基づくと思われる体制運動の抑制と鎮静作用が出現した。(2) KW-1070を大量投与した場合でも, Animex法における自発運動, ptntobarbital麻酔増強作用, 抗痙攣作用, 体温に対する作用, 鎮痛作用, 脳波作用および脊髄反射に対する作用等はいずれも認められなかった。(3) KW-1070は坐骨神経刺激による前脛骨筋の収縮反応および横隔膜初経刺激による横隔膜筋の収縮反応を抑制したが, その作用強度はKMおよびRSMと同程度であった。(4) KW-1070はKMおよびRSMと向様に局所麻酔作用を示きたかった。(5) KW-1070を大量投与した場合, 頸部神経節前線維刺激による瞬膜の収縮反応を軽度抑制したが, adrenaline投与による収縮反応も抑制したので作用部位は神経節ではなく, それより末梢側と考えられる。以上のことから, KW-1070がKMやRSMに比べて, 各種動物の中枢神経系および末梢神経系に対して, 特に強い薬理作用を示すとは思われない。 |
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| ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
| DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.29.Supplement2_76 |