頸髄症再手術例の検討
「はじめに」一般に, 頸髄症は適切な時期に的確な手術を行うことによって良好な治療成績が獲得できる. しかし, 初回手術で予期した臨床症状の改善が得られない場合や新たな病態の出現により再手術を余儀なくされることは稀ではない. 今回再手術例11例の病態を分析し, 初回手術の早期術後経過に問題があった場合と新たな病態が出現した場合の2群に分類し, その病態, 治療成績, 満足度を調査したので報告する. 対象 1988年より当科で頸髄症に対して再手術を行った11例を対象とした. 11例の年齢は45歳から68歳, 平均59歳で, 性別は男性10例, 女性1例であった. 同期間の頸髄症手術例は164例であ...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 3; pp. 701 - 703 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
1996
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ISSN | 0037-1033 |
Cover
Summary: | 「はじめに」一般に, 頸髄症は適切な時期に的確な手術を行うことによって良好な治療成績が獲得できる. しかし, 初回手術で予期した臨床症状の改善が得られない場合や新たな病態の出現により再手術を余儀なくされることは稀ではない. 今回再手術例11例の病態を分析し, 初回手術の早期術後経過に問題があった場合と新たな病態が出現した場合の2群に分類し, その病態, 治療成績, 満足度を調査したので報告する. 対象 1988年より当科で頸髄症に対して再手術を行った11例を対象とした. 11例の年齢は45歳から68歳, 平均59歳で, 性別は男性10例, 女性1例であった. 同期間の頸髄症手術例は164例であり, 再手術例は6.7%に相当した. また, 術式では, 164例中81例が前方法で, そのうちの7例(8.6%), また後方法78例の4例(5.1%)が再手術例であった. 前方後方併用例は5例であったが再手術例はなかった. これら再手術例を以下の2群に分類した. 1群:初回手術時の病態および手術に直接関連した病態に対し再手術したもの. すなわち, 偽関節による脊髄症状の再悪化, 手術高位の誤りによるもの, 硬膜外血腫, 移植骨の脱転による脊髄症状の再悪化, 拡大椎弓の落ち込み, Alignmentの変化によるもの. |
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ISSN: | 0037-1033 |