中空螺子を使った経皮的膝蓋骨骨折治療法

「抄録」【目的】著者らは螺子の強い曲げ強度と引き抜き強度に着目して, 軽度な転位ある症例に対して, 中空螺子のみを用いた経皮的固定術を行っている. 今回の11症例に対して成績を検討する. 【手術方法】膝関節を軽度屈曲位にして, レントゲン透視下に膝蓋骨末梢からガイドワイヤーを中枢に向けて刺入する. 小切開後, 末梢の骨皮質をドリリングする. 螺子は必ず中枢の骨皮質を越えて挿入している. 【結果】腓骨神経麻痺を起こした一例を除き, 全例平均約5週で正座可能となった. いずれも螺子による疼痛や皮膚の障害はなかった. 【考察】経皮的な中空螺子固定は手術侵襲が少なく, 十分な固定力が得られると考える....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 51; no. 1; pp. 183 - 185
Main Authors 目貫邦隆, 中光紳一, 宮崎健, 伊藤謙三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2002
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033

Cover

More Information
Summary:「抄録」【目的】著者らは螺子の強い曲げ強度と引き抜き強度に着目して, 軽度な転位ある症例に対して, 中空螺子のみを用いた経皮的固定術を行っている. 今回の11症例に対して成績を検討する. 【手術方法】膝関節を軽度屈曲位にして, レントゲン透視下に膝蓋骨末梢からガイドワイヤーを中枢に向けて刺入する. 小切開後, 末梢の骨皮質をドリリングする. 螺子は必ず中枢の骨皮質を越えて挿入している. 【結果】腓骨神経麻痺を起こした一例を除き, 全例平均約5週で正座可能となった. いずれも螺子による疼痛や皮膚の障害はなかった. 【考察】経皮的な中空螺子固定は手術侵襲が少なく, 十分な固定力が得られると考える. また, 軟部組織に対する刺激が少なく早期に正座が期待できる方法と考える. 「はじめに」膝蓋骨骨折では, 膝伸展力の低下と膝関節可動域の損失を防ぐ目的から, 強固な内固定と早期からの可動域訓練が望ましい. 筆者らは軽度転位ある症例に対して, 中空螺子のみを用いて経皮的骨接合術を行い良い結果を得たので報告する.
ISSN:0037-1033