コンベックス走査式超音波気管支鏡 (CP-EBUS) を用いた経食道的超音波内視鏡下穿刺吸引法 (EUS-FNA) により診断された悪性胸膜中皮腫の1例

「要約」-「背景.」コンベックス走査式超音波気管支鏡(CP-EBUS)は, 経食道的超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)に用いることも可能である. 我々は本法により診断しえた悪性胸膜中皮腫の1例を経験した. 「症例.」72歳, 男性. 職業性アスベスト曝露歴あり. 咳嗽, 発熱, 呼吸困難を契機に当院受診, 胸部単純X線で左肺野に複数の腫瘤影, 結節影を認め, 胸部CTでそれらは胸膜に接していた. うち最大病変の1個は気管・気管支には接さず食道に接しており, 同部に対してCP-EBUSを用いた経食道的EUS-FNAを施行し, 生検組織より上皮型悪性胸膜中皮腫と診断した. 「結論.」胸郭内...

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Published in気管支学 Vol. 38; no. 3; pp. 218 - 223
Main Authors 友國佳奈, 水守康之, 中原保治, 望月吉郎, 河村哲治, 佐々木信, 守本明枝, 塚本宏壮, 勝田倫子, 鏡亮吾, 白石幸子, 大西康貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器内視鏡学会 25.05.2016
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ISSN0287-2137

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Summary:「要約」-「背景.」コンベックス走査式超音波気管支鏡(CP-EBUS)は, 経食道的超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)に用いることも可能である. 我々は本法により診断しえた悪性胸膜中皮腫の1例を経験した. 「症例.」72歳, 男性. 職業性アスベスト曝露歴あり. 咳嗽, 発熱, 呼吸困難を契機に当院受診, 胸部単純X線で左肺野に複数の腫瘤影, 結節影を認め, 胸部CTでそれらは胸膜に接していた. うち最大病変の1個は気管・気管支には接さず食道に接しており, 同部に対してCP-EBUSを用いた経食道的EUS-FNAを施行し, 生検組織より上皮型悪性胸膜中皮腫と診断した. 「結論.」胸郭内病巣の位置によっては経気管支的・経皮的アプローチと同様に, CP-EBUSを用いた経食道的EUS-FNAも有用な診断法と考えられた. 「緒言」悪性胸膜中皮腫は, アスベスト曝露が原因とされる予後不良な疾患である.
ISSN:0287-2137