若年者の膝蓋骨下極裂離骨折(sleeve fracture)の2例

【はじめに】比較的稀である若年者の膝蓋骨下極裂離骨折(sleeve fracture)の2例について報告する.【症例1】11歳男性. バスケットボール試合中, ジャンプした際に受傷した. 左膝蓋骨下極裂離骨折を認め, 受傷後3日目に手術を行った. 遠位骨片と膝蓋腱に糸をかけ, 骨孔をあけた膝蓋骨に通して固定し, 外側骨片とともに鋼線で周辺締結を行った. 術後3週間は屈曲20°でシリンダーキャスト固定を行った後, 伸展位荷重, 可動域訓練を開始した. 術後11か月で抜釘術を行い, 術後3年で関節可動域制限を認めなかった. 【症例2】12歳男性. 走り高跳びの着地の際に受傷した. 右膝蓋骨下極裂離...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 62; no. 3; pp. 453 - 456
Main Authors 城下卓也, 本多一宏, 井本光次郎, 田村諭史, 細川浩, 岡野博史, 岡村直樹, 岡田二郎, 宮本和彦, 佐久間克彦, 中島伸一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2013
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ISSN0037-1033

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Summary:【はじめに】比較的稀である若年者の膝蓋骨下極裂離骨折(sleeve fracture)の2例について報告する.【症例1】11歳男性. バスケットボール試合中, ジャンプした際に受傷した. 左膝蓋骨下極裂離骨折を認め, 受傷後3日目に手術を行った. 遠位骨片と膝蓋腱に糸をかけ, 骨孔をあけた膝蓋骨に通して固定し, 外側骨片とともに鋼線で周辺締結を行った. 術後3週間は屈曲20°でシリンダーキャスト固定を行った後, 伸展位荷重, 可動域訓練を開始した. 術後11か月で抜釘術を行い, 術後3年で関節可動域制限を認めなかった. 【症例2】12歳男性. 走り高跳びの着地の際に受傷した. 右膝蓋骨下極裂離骨折を認め, 受傷後2日目に症例1と同様に骨接合術を行った. 術後2週間外固定を行った後, 可動域訓練, 伸展位荷重歩行訓練を開始した. 術後10か月で抜釘を行い, 術後11か月で屈曲制限を認めなかった. 【考察】膝蓋骨下極裂離骨折に対する, pull-out法, 周辺締結法による固定は, 有効な治療法であると考えられた.
ISSN:0037-1033