外科的治療を要した喉頭軟弱症の2例
「はじめに」喉頭軟弱症は, 脆弱な声門上部構造が吸気時に喉頭内に嵌入して喘鳴や呼吸障害を生じる疾患で, 小児の先天的喘鳴の原因として最も多く1,2), 日常診療においても注意を要する疾患である. 多くは, 身体成長とともに2歳ころまでに症状は軽減すると言われているが3), 高度の呼吸障害や嚥下障害をきたす場合は外科的治療を要することもある. 今回, 気道管理目的で外科的治療を要した喉頭軟弱症の2例を経験したので, それらの臨床経過とともにわれわれが経験した喉頭軟弱症例に関する臨床的検討を行い報告する. 「症例」症例1:4歳3ヵ月女児 主訴:吸気時喘鳴・誤嚥 現病歴:2002年11月に, 在胎3...
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| Published in | 喉頭 Vol. 22; no. 1; pp. 25 - 29 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本喉頭科学会
2010
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0915-6127 |
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| Summary: | 「はじめに」喉頭軟弱症は, 脆弱な声門上部構造が吸気時に喉頭内に嵌入して喘鳴や呼吸障害を生じる疾患で, 小児の先天的喘鳴の原因として最も多く1,2), 日常診療においても注意を要する疾患である. 多くは, 身体成長とともに2歳ころまでに症状は軽減すると言われているが3), 高度の呼吸障害や嚥下障害をきたす場合は外科的治療を要することもある. 今回, 気道管理目的で外科的治療を要した喉頭軟弱症の2例を経験したので, それらの臨床経過とともにわれわれが経験した喉頭軟弱症例に関する臨床的検討を行い報告する. 「症例」症例1:4歳3ヵ月女児 主訴:吸気時喘鳴・誤嚥 現病歴:2002年11月に, 在胎39週, 体重1748gで帝王切開にて出生, 生下時より新生児仮死および脳性麻痺を合併し, 吸気時喘鳴や唾液誤嚥を認めていた. 近医にて喉頭軟弱症と診断され, 通院による経過観察を受けていた. 2006年12月より吸気時喘鳴および誤嚥が徐々に増悪し, 唾液誤嚥による肺炎を繰り返すようになったために, 精査加療目的に2007年2月当科紹介となった. |
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| ISSN: | 0915-6127 |