頚椎脊柱管拡大術中の脊髄血流量測定と術後成績の関係(第2報)

「はじめに」現在頚椎症に対して脊柱管拡大術が広く行われているが, 拡大が充分に行われたにもかかわらず, 手術成績の悪い症例もあり, これには様々な要因が関与していると考えられている. 要因の一つとして血行性因子も従来より言われているが, 実際の測定は困難でありその関与については不明な点が多い. 近年非接触にて組織血流量を測定できるレーザードップラー血流計が開発された3). 我々は第90回本学会にて術中の椎弓側方での脊髄血流量を測定し報告した5). 今回より正確な脊髄血流量の測定の目的にて最狭窄部椎間正中での測定を行い, また脊髄血流量と脊髄形態の関係を検討する目的にて同一症例の術前後のMRIに...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 47; no. 1; pp. 48 - 50
Main Authors 児玉太郎, 松永俊二, 武富栄二, 米和徳, 酒匂崇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1998
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」現在頚椎症に対して脊柱管拡大術が広く行われているが, 拡大が充分に行われたにもかかわらず, 手術成績の悪い症例もあり, これには様々な要因が関与していると考えられている. 要因の一つとして血行性因子も従来より言われているが, 実際の測定は困難でありその関与については不明な点が多い. 近年非接触にて組織血流量を測定できるレーザードップラー血流計が開発された3). 我々は第90回本学会にて術中の椎弓側方での脊髄血流量を測定し報告した5). 今回より正確な脊髄血流量の測定の目的にて最狭窄部椎間正中での測定を行い, また脊髄血流量と脊髄形態の関係を検討する目的にて同一症例の術前後のMRIによる検討を行ったので報告する. 対象および方法 対象は男性17例, 女性11例の28例であり, 年齢は38歳から76歳, 平均60.4歳であった. 疾患は頚椎症性脊髄症13例, 頚椎後縦靭帯骨化症15例であった. 測定はアドバンス社製ALF21Nレーザードップラー血流計を用い, 時定数は1秒とした. 記録には日本電子科学社製U626DSを用いた. 測定方法は拡大前に最狭窄部椎間正中に硬膜までの測定孔を作成し, 拡大前後で測定を行った.
ISSN:0037-1033