rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法直後に緊急CEA(頸動脈内膜剥離術)を行った頸部内頸動脈偽閉塞症の1例
要旨:超急性期脳梗塞に対するrt-PA(アルテプラーゼ)静注療法が無効であり, 頸部内頸動脈偽閉塞症と診断された症例を経験した. 直ちに経皮的血管形成術を施行したが, アテローマプラークが固かったため不成功に終わった. このため, 緊急CEA(頸動脈内膜剥離術)を施行し, 脳梗塞の発症を最小限にとどめることができた. 周術期に重篤な出血性合併症は生じず, 明らかな過灌流症候群も認めなかった. 本症例は, rt-PA静注療法直後(3時間10分後)に外科手術を施行した症例であるが, 周術期に大きな合併症はなく経過した. 「はじめに」 超急性期脳梗塞に対するrt-PA静注療法の有効性は証明されている...
Saved in:
| Published in | 脳卒中 Vol. 33; no. 4; pp. 451 - 457 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本脳卒中学会
2011
|
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0912-0726 |
Cover
| Summary: | 要旨:超急性期脳梗塞に対するrt-PA(アルテプラーゼ)静注療法が無効であり, 頸部内頸動脈偽閉塞症と診断された症例を経験した. 直ちに経皮的血管形成術を施行したが, アテローマプラークが固かったため不成功に終わった. このため, 緊急CEA(頸動脈内膜剥離術)を施行し, 脳梗塞の発症を最小限にとどめることができた. 周術期に重篤な出血性合併症は生じず, 明らかな過灌流症候群も認めなかった. 本症例は, rt-PA静注療法直後(3時間10分後)に外科手術を施行した症例であるが, 周術期に大きな合併症はなく経過した. 「はじめに」 超急性期脳梗塞に対するrt-PA静注療法の有効性は証明されているが1,2), rt-PA静注療法後も頸部頸動脈高度狭窄が存在する患者においては, 脳梗塞再発のリスクが極めて高くなる. 頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy; CEA)によって症候性頸部頸動脈高度狭窄症患者の脳梗塞発症リスクを減ずることができるが, rt-PA静注療法直後に安全にCEAを施行し得るかどうかは不明である. |
|---|---|
| ISSN: | 0912-0726 |