超高齢者の大腿骨頚部骨折の観血的治療経験

「はじめに」近年平均寿命の高齢化にともない, 大腿骨頚部骨折受傷者のうち, 90歳以上の超高齢者症例も多くなってきている. 超高齢者においては整形外科的治療のみならず他の合併症のために治療に難渋することもしばしばである. 今回我々は, 超高齢者の特に周術期の全身管理を中心に本疾患治療成績を検討したので報告する. 対象 宮崎医大整形外科関連病院にて過去4年間に観血的治療施行された90歳以上の53症例55骨折である. 男性10例10骨折, 女性43例45骨折で, 手術時平均年齢は92.4歳であった. 骨折型においては, 内側骨折が14例14骨折外側骨折が39例41骨折であった. その内訳は, 内側...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 4; pp. 1160 - 1163
Main Authors 田辺龍樹, 小牧一麿, 川越正一, 帖佐悦男, 柏木輝行, 園田典生, 田島直也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1997
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」近年平均寿命の高齢化にともない, 大腿骨頚部骨折受傷者のうち, 90歳以上の超高齢者症例も多くなってきている. 超高齢者においては整形外科的治療のみならず他の合併症のために治療に難渋することもしばしばである. 今回我々は, 超高齢者の特に周術期の全身管理を中心に本疾患治療成績を検討したので報告する. 対象 宮崎医大整形外科関連病院にて過去4年間に観血的治療施行された90歳以上の53症例55骨折である. 男性10例10骨折, 女性43例45骨折で, 手術時平均年齢は92.4歳であった. 骨折型においては, 内側骨折が14例14骨折外側骨折が39例41骨折であった. その内訳は, 内側骨折の7骨折にmonopolar型人工骨頭置換術が, 6骨折にmultiple pinning, 1骨折にcompression hip screw(以下CHSと略す)とpinningによる骨接合術が施行された. 一方外側骨折41骨折においては, multiple pinningにより4骨折が, CHSにより7骨折が, ガンマネイルにより30骨折が骨接合術を施行された(表1).
ISSN:0037-1033