若年健常者と内側型変形性膝関節症症例の下肢形態の相違
「はじめに」日本人の変形性膝関節症(以下, OA)症例の中で, 内反型は93%を占める3). しかし, どのような解剖学的特徴によって, 内反膝になっているのかを検討した報告は少ない. 本研究の目的は, 内側型OA症例の下肢の形態を若年健常者と比較し, その特徴を明らかにすることである. さらに, 内側型OAの予防法に関しても検討を加えた.「対象と方法」内側型OA症例135例を対象とした. 全例女性であり, 平均年齢は70歳(50~89歳)である. 若年健常者は, 本研究の主旨を理解し, 協力を申し出た, 下肢の痛みや疾患の既往がない, 21歳の女性43名を対象とした. 各症例において, 臥位...
Saved in:
| Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 4; pp. 1168 - 1171 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
西日本整形・災害外科学会
2001
|
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0037-1033 |
Cover
| Summary: | 「はじめに」日本人の変形性膝関節症(以下, OA)症例の中で, 内反型は93%を占める3). しかし, どのような解剖学的特徴によって, 内反膝になっているのかを検討した報告は少ない. 本研究の目的は, 内側型OA症例の下肢の形態を若年健常者と比較し, その特徴を明らかにすることである. さらに, 内側型OAの予防法に関しても検討を加えた.「対象と方法」内側型OA症例135例を対象とした. 全例女性であり, 平均年齢は70歳(50~89歳)である. 若年健常者は, 本研究の主旨を理解し, 協力を申し出た, 下肢の痛みや疾患の既往がない, 21歳の女性43名を対象とした. 各症例において, 臥位における, いわゆるOrthoradiographを撮影した6). 最も留意した点として, 膝蓋骨を正面に向けた膝正面像でのorthoradiographを撮影した点である. 各orthoradigraphにおいて, 以下に示す, 合計9個の指標を計測した. 全体像より, 大腿骨長(骨頭から顆間窩までの距離), 脛骨長(近位関節面から遠位関節面までの距離)と大腿骨長, 脛骨長比, および膝外側角を計測した(図1). |
|---|---|
| ISSN: | 0037-1033 |