南極氷河を使った高エネルギー宇宙ニュートリノ観測実験IceCubeが始まる(最近の研究から)

高エネルギー宇宙を探査する新たな窓としてニュートリノ放射を検出するアイデアが現実味を帯びてきた.頻度が極めて低いと予想される高エネルギーニュートリノを莫大な宇宙線雑音の中から拾い出す安価な大容量衝突標的として,南極大陸の氷河が適していることが分かってきたからである.検出に必要な1km3 の標的容量を持つIceCube実験が日米欧の国際共同実験として本年度から建設が始まる.本稿では高エネルギーニュートリノ検出の意義とIceCube実験の概観を南極現地の経験も踏まえて報告する....

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Published in日本物理学会誌 Vol. 59; no. 6; pp. 358 - 361
Main Author 吉田, 滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本物理学会 05.06.2004
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ISSN0029-0181
2423-8872
DOI10.11316/butsuri1946.59.358

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Summary:高エネルギー宇宙を探査する新たな窓としてニュートリノ放射を検出するアイデアが現実味を帯びてきた.頻度が極めて低いと予想される高エネルギーニュートリノを莫大な宇宙線雑音の中から拾い出す安価な大容量衝突標的として,南極大陸の氷河が適していることが分かってきたからである.検出に必要な1km3 の標的容量を持つIceCube実験が日米欧の国際共同実験として本年度から建設が始まる.本稿では高エネルギーニュートリノ検出の意義とIceCube実験の概観を南極現地の経験も踏まえて報告する.
ISSN:0029-0181
2423-8872
DOI:10.11316/butsuri1946.59.358