ボーンハウジングを考慮したII級症例について
〈抄録〉 近年コーンビームCTを用いた三次元診断が普及してきたが, これまでの矯正治療の診断はセファロ分析によるところが大きかったため, 今後は, CTから得られる三次元デジタル情報より, 顎骨および歯列の三次元形態を加味した治療計画を立案する必要がある. 特に, 臼歯関係full Class II症例では, 上顎小臼歯の片顎抜去により上顎前歯の歯軸改善と口蓋側移動を行うことが一般的な治療法であるが, 上顎骨の近遠心的な厚みが薄い症例, 上顎前歯が切歯管に近接している症例では上顎前歯の過度な口蓋側移動は歯根吸収を惹起する可能性があり, 注意する必要がある. 今回, 上顎前歯が切歯管に近接してい...
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| Published in | 日本舌側矯正歯科学会会誌 no. 32; pp. 24 - 33 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本舌側矯正歯科学会
01.05.2022
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| ISSN | 1883-6216 |
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| Summary: | 〈抄録〉 近年コーンビームCTを用いた三次元診断が普及してきたが, これまでの矯正治療の診断はセファロ分析によるところが大きかったため, 今後は, CTから得られる三次元デジタル情報より, 顎骨および歯列の三次元形態を加味した治療計画を立案する必要がある. 特に, 臼歯関係full Class II症例では, 上顎小臼歯の片顎抜去により上顎前歯の歯軸改善と口蓋側移動を行うことが一般的な治療法であるが, 上顎骨の近遠心的な厚みが薄い症例, 上顎前歯が切歯管に近接している症例では上顎前歯の過度な口蓋側移動は歯根吸収を惹起する可能性があり, 注意する必要がある. 今回, 上顎前歯が切歯管に近接している臼歯関係full Class II症例において, ボーンハウジングを考慮し過度な口蓋側移動を行わずに, 歯科矯正用アンカースクリューを用いて上顎大臼歯部の遠心移動と下顎大臼歯部の近心移動を併用して非抜去にて矯正歯科治療を行い良好な結果を得た2例を報告する. |
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| ISSN: | 1883-6216 |