健康日本21 (第三次) に向けた生活習慣改善による歯周病のケアについて

「1. はじめに」 歯周病は歯と歯周組織に付着したバイオフィルムを原因とする炎症性疾患であるが, その発症予防と治療においては口腔環境のみならず生活習慣や全身の健康状態の改善が重要である. 本稿では, 健康日本21(第三次)における歯周病の位置づけ, 歯周病の病因論における生活習慣, 口腔内環境と腸内環境との関連性, 生活習慣病としての歯周病のケアについて概説する. 「2. 健康日本21(第三次)における歯周病の位置づけ」 2024年度から始まった「二十一世紀における第三次国民健康づくり運動(健康日本21(第三次))」は2035年度までの12年間とされており, 2013年度から続いた健康日本2...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 66; no. 2; pp. 60 - 66
Main Authors 坂上竜資, 吉永泰周, 金子高士, 永井淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯周病学会 2024
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ISSN0385-0110

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Summary:「1. はじめに」 歯周病は歯と歯周組織に付着したバイオフィルムを原因とする炎症性疾患であるが, その発症予防と治療においては口腔環境のみならず生活習慣や全身の健康状態の改善が重要である. 本稿では, 健康日本21(第三次)における歯周病の位置づけ, 歯周病の病因論における生活習慣, 口腔内環境と腸内環境との関連性, 生活習慣病としての歯周病のケアについて概説する. 「2. 健康日本21(第三次)における歯周病の位置づけ」 2024年度から始まった「二十一世紀における第三次国民健康づくり運動(健康日本21(第三次))」は2035年度までの12年間とされており, 2013年度から続いた健康日本21(第二次)の全面改定となった. 健康日本21(第三次)では, 「全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現に向け, 誰一人取り残さない健康づくりの展開(Inclusion)と, より実効性をもつ取組の推進(Implementation)を通じて, 国民の健康の増進の総合的な推進を図る」と記されている.
ISSN:0385-0110