Single level dynamic CTA, Single level dynamic CTAP, 超常磁性体酸化鉄粒子 (super-paramagnetic iron oxide : SPIO) 造影MRIにより脱分化過程を観察できた高分化型肝癌の1例

症例は63歳男性. C型慢性肝炎経過観察中, 肝癌を指摘され血管造影を施行した. 血管造影にて描出されず, CTAでhypodensity, CTAPでisodensityとして描出される径4cm大の結節が認められた. この結節は, single level dynamic CTA (以下SLD-CTA) でも明らかな動脈血流は認められなかった. 同結節はCTAPでは肝実質とほぼisodensityとして描出されたが, single level dynamic CTAPの後期相で周囲肝組織よりも低濃度となり, 門脈血流の軽度低下が疑われた. 同結節は超常磁性体酸化鉄粒子 (super-para...

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Published in肝臓 Vol. 40; no. 3; pp. 156 - 162
Main Authors 谷畑, 博彦, 武内, 泰造, 佐藤, 守男, 寺田, 正樹, 大島, 章, 河合, 信行, 南口, 博紀, 増田, 光則, 中井, 資貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.03.1999
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.40.156

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Summary:症例は63歳男性. C型慢性肝炎経過観察中, 肝癌を指摘され血管造影を施行した. 血管造影にて描出されず, CTAでhypodensity, CTAPでisodensityとして描出される径4cm大の結節が認められた. この結節は, single level dynamic CTA (以下SLD-CTA) でも明らかな動脈血流は認められなかった. 同結節はCTAPでは肝実質とほぼisodensityとして描出されたが, single level dynamic CTAPの後期相で周囲肝組織よりも低濃度となり, 門脈血流の軽度低下が疑われた. 同結節は超常磁性体酸化鉄粒子 (super-paramagnetic iron oxide : SPIO) 造影MRIでは, SPIOの取り込みが見られた. 生検の結果, 本結節は高分化型肝癌であった. 3ヵ月後再度アンギオCTを施行したところ, 腫瘍中心部に動脈血流を有する脂肪変性部が出現しており, 脱分化巣と考えられた. 同部はSPIO造影MRIにて明瞭に描出しえた. またSLD-CTAにて同部に動脈性腫瘍血管を明瞭に描出しえた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.40.156