新たに開発した高性能EVAL2次膜(Evaflux 5A)による高脂血症に対する臨床評価

二重濾過血漿交換法(DFPP)の血漿成分分離器として, 血漿処理量や各溶質の分画特性など濾過性能の改善を目的に, 高性能EVAL2次膜Evaflux-5A(5A5)を開発した. 従来膜に比べ孔密度の増加, シャープな孔径分布などの特徴を有し, 大幅に濾過特性の改善が図られた. 5A5膜を用いたDFPP法による高脂血症患者2名に長期臨床評価を行った. 従来の4A膜に比べ排液をしない全濾過法が可能であり, LDLなど有害成分の除去は同等以上で, アルブミン, HDLなど有益成分の損失を大幅に減少することができた. またLDLのみならず, 動脈硬化や心筋梗塞のリスクファクターとして注目されているLp...

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Published in人工臓器 Vol. 22; no. 1; pp. 243 - 247
Main Authors 末弘, 健, 小嶋, 俊一, 堀口, 純子, 斯波, 真理子, 山本, 章, 末岡, 明伯
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 1993
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.22.243

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Summary:二重濾過血漿交換法(DFPP)の血漿成分分離器として, 血漿処理量や各溶質の分画特性など濾過性能の改善を目的に, 高性能EVAL2次膜Evaflux-5A(5A5)を開発した. 従来膜に比べ孔密度の増加, シャープな孔径分布などの特徴を有し, 大幅に濾過特性の改善が図られた. 5A5膜を用いたDFPP法による高脂血症患者2名に長期臨床評価を行った. 従来の4A膜に比べ排液をしない全濾過法が可能であり, LDLなど有害成分の除去は同等以上で, アルブミン, HDLなど有益成分の損失を大幅に減少することができた. またLDLのみならず, 動脈硬化や心筋梗塞のリスクファクターとして注目されているLp(a)やフィブリノーゲンを効率的に除去することが可能であった. 吸着療法との比較では, HDLの損失がやや大きいが長期間の臨床評価では遜色ない結果が得られた.
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.22.243