第3回 体表心臓微小電位研究会 加算平均QRS高周波微小電位に及ぼす心拍数変動の影響 運動負荷法と心房ペーシング法の比較
目的:心拍数変動に対する心室性不整脈の反応につき,運動負荷試験中の加算平均心電図を調べ,心房ペーシング中の変化と対比して不整脈発生機序との関係を検討した.方法:心室頻拍(VT)11例(特発性4例,拡張型心筋症4例,陳旧性心筋梗塞3例),心室期外収縮(VPC)10例を対象とした.運動負荷試験中の心拍数90,110,130,150/分の際の洞収縮QRS波形を50心拍加算,filtered QRS duration(fQRS)とQRS 終末部 40 msec の平均電位(RMS 40)を測定しVT群,VPC群で比較.電気生理学的検査中,心房ペーシングを行ったVT例では各心拍毎のfQRS,RMS 40...
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| Published in | 心臓 Vol. 25; no. Supplement5; pp. 76 - 81 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益財団法人 日本心臓財団
25.12.1993
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI | 10.11281/shinzo1969.25.Supplement5_76 |
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| Summary: | 目的:心拍数変動に対する心室性不整脈の反応につき,運動負荷試験中の加算平均心電図を調べ,心房ペーシング中の変化と対比して不整脈発生機序との関係を検討した.方法:心室頻拍(VT)11例(特発性4例,拡張型心筋症4例,陳旧性心筋梗塞3例),心室期外収縮(VPC)10例を対象とした.運動負荷試験中の心拍数90,110,130,150/分の際の洞収縮QRS波形を50心拍加算,filtered QRS duration(fQRS)とQRS 終末部 40 msec の平均電位(RMS 40)を測定しVT群,VPC群で比較.電気生理学的検査中,心房ペーシングを行ったVT例では各心拍毎のfQRS,RMS 40を調べた.結果:1)心拍数の増加に伴い,基礎疾患を有するVT 7例全例,特発性VT 4例中3例で,またVPC群では10例中4例でfQRSが延長.2)RMS 40はVT群で減少する傾向があったが,VPC群では心拍数依存性はみられなかった.3)ペーシングにより心拍数を増加させた場合には,fQRS,RMS 40ともほとんど不変であった.総括:基礎心疾患を有するVT例では,運動負荷により心拍数を増加させると,QRS高周波成分がfQRS延長,RMS 40減少というリエントリーを起こしやすい方向へと変化し,VPCのみの例ではこの変化は明らかでなかった.また,心房ペーシングにより心拍数を増加させても一定の変化がみられなかったことから上記の変化に内因性カテコラミンの関与が示唆された. |
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| ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
| DOI: | 10.11281/shinzo1969.25.Supplement5_76 |