九州歯科大学における大学理念の周知度および大学教育満足度に関するアンケート調査—学生・卒業生・雇用主・教員での比較

大学における教育は大学の基本理念に基づいて行われており,学生および教員を含めた大学全体での大学理念の周知が必要である.さらに,大学での教育成果およびその教育成果が社会のニーズに応えているかを検証するためには,学内外の多面的な視点から検証を行う必要があると考えられる.そこで,本研究では歯学部学生(2~6年生),大学院生,卒業生および教員および本学卒業生の雇用主を対象として大学理念の周知度および大学教育の満足度のマークシート方式によるアンケート調査を行った. 大学理念の周知度に関しては,教員の周知度が最も高く,卒業生が最も低いことが明らかになった.歯学部学生の各学年での周知度では,2年生が最も周知...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 62; no. 3.4; pp. 100 - 108
Main Authors 稲永, 清敏, 西原, 達次, 高田, 豊, 豊野, 孝, 荒井, 秋晴, 後藤, 哲哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 2008
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ISSN0368-6833
1880-8719
DOI10.2504/kds.62.100

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Summary:大学における教育は大学の基本理念に基づいて行われており,学生および教員を含めた大学全体での大学理念の周知が必要である.さらに,大学での教育成果およびその教育成果が社会のニーズに応えているかを検証するためには,学内外の多面的な視点から検証を行う必要があると考えられる.そこで,本研究では歯学部学生(2~6年生),大学院生,卒業生および教員および本学卒業生の雇用主を対象として大学理念の周知度および大学教育の満足度のマークシート方式によるアンケート調査を行った. 大学理念の周知度に関しては,教員の周知度が最も高く,卒業生が最も低いことが明らかになった.歯学部学生の各学年での周知度では,2年生が最も周知度が高かった.次に大学教育の満足度に関しては,歯学部学生の満足度が最も高く,卒業生が最も低いことが明らかになった.大学理念の周知度および大学教育の満足度の関係を単回帰分析で調べたところ,歯学部学生および卒業生は弱い正の関係が,大学院生は高い正の関係が認められた. これらの結果より,大学理念の周知度および大学教育の満足度において対象群において差が認められた.今後は歯学部学生における本学理念の周知の徹底を図ると同時に,大学教育の満足度が向上するように本学での教育内容および方法の改善に取り組む必要があると考えられた.
ISSN:0368-6833
1880-8719
DOI:10.2504/kds.62.100