多発性骨髄腫に合併したamyloid arthropathy

多発性骨髄腫に合併したamyloid arthropathyの3症例について報告し,その問題点について検討した.多発性骨髄腫の診断後にアミロイド症の一部分症としてamyloid arthropathyが診断された1例とamyloid arthropathyが多発性骨髄腫の診断に先行する初発症状となった2例である. Amyloid arthropathyが先行した場合,慢性関節リウマチと誤診され,そのために多発性骨髄腫の診断が数カ月遅れた.適切な治療が行われなければ,多発性骨髄腫の背景にあるBence Jones蛋白尿により腎不全を招来し,そのためにBence Jones蛋白の異化の遅延が加わり...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 17; no. 2; pp. 84 - 89
Main Author 加納, 正
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床免疫学会 30.04.1994
Online AccessGet full text
ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.17.84

Cover

More Information
Summary:多発性骨髄腫に合併したamyloid arthropathyの3症例について報告し,その問題点について検討した.多発性骨髄腫の診断後にアミロイド症の一部分症としてamyloid arthropathyが診断された1例とamyloid arthropathyが多発性骨髄腫の診断に先行する初発症状となった2例である. Amyloid arthropathyが先行した場合,慢性関節リウマチと誤診され,そのために多発性骨髄腫の診断が数カ月遅れた.適切な治療が行われなければ,多発性骨髄腫の背景にあるBence Jones蛋白尿により腎不全を招来し,そのためにBence Jones蛋白の異化の遅延が加わり,ますます全身性アミロイド症と腎不全が加速することになる.関節のアミロイド症はAL型アミロイド症のまれな病態であるため,その認識が乏しい. Amyloid arthropathyはアミロイド症の臨床上の盲点のひとつとみられ,慎重な配慮が期待される.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.17.84