急性期脳梗塞に対するrt-PA (アルテプラーゼ) の使用経験
2005年12月から2007年6月まで当院救急部を受診した脳梗塞患者149症例のうち, 遺伝子組み換え組織型プラスミノーゲン・アクチベータ (rt-PA) であるアルテプラーゼの適応基準に合致した患者28症例を対象とし, 発症からの時間, 神経学的所見, 画像所見, 転帰等について後ろ向きに検討した. 当院神経内科医が中心となって作成した治療手順に則り, 頭部CTで出血性病変を否定した後に, rt-PA 0.6mg/kgを投与した. 発症からrt-PA投与開始までの時間は41~167分 (中央値95分) であった. 投与後, 24時間はICUあるいは神経内科病棟で呼吸・循環管理, 神経学的評価...
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Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 28; no. 5; pp. 807 - 813 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床麻酔学会
12.09.2008
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
DOI | 10.2199/jjsca.28.807 |
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Summary: | 2005年12月から2007年6月まで当院救急部を受診した脳梗塞患者149症例のうち, 遺伝子組み換え組織型プラスミノーゲン・アクチベータ (rt-PA) であるアルテプラーゼの適応基準に合致した患者28症例を対象とし, 発症からの時間, 神経学的所見, 画像所見, 転帰等について後ろ向きに検討した. 当院神経内科医が中心となって作成した治療手順に則り, 頭部CTで出血性病変を否定した後に, rt-PA 0.6mg/kgを投与した. 発症からrt-PA投与開始までの時間は41~167分 (中央値95分) であった. 投与後, 24時間はICUあるいは神経内科病棟で呼吸・循環管理, 神経学的評価を行った. 転帰は社会復帰の可能性を示すmodified Ranking Scale 0~1は9例 (32%) , 2~3は7例 (25%) , 4~5は8例 (29%) , 死亡4例 (14%) であった. 治療手順の作成により, rt-PAの迅速投与, 合併症予防の監視が可能となった. |
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ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
DOI: | 10.2199/jjsca.28.807 |