進行肝癌に対する集学的治療(特にImmuno-Chemo-Embolizationについて)
肝癌にする免疫療法には, 異種抗原として腫瘍細胞を認識することの他に, TAE後に併発する非癌部の肝壊死発生抑制作用の重要性もあげられる. 今回, 我々は, TAE施行時にOK-432肝動脈注入を併用し抗腫瘍効果を検討した. 対象は原発性肝癌5例にTAE(lipiodol+ADM 10mg+sponzel)施行時, OK-432 10KE肝動脈注入を併用し(動注群), TAE群のみの5例(対照群)と免疫生化学的, および組織学的立場より比較した. 動注群は, 直後著明な白血球増多とリンパ球数減少がみられたが, 2週目以降になると, いずれも対照群に比し有意に高値を保つた. リンパ球サブセツトの...
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| Published in | 医療 Vol. 43; no. 2; pp. 179 - 183 |
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| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 国立医療学会
20.02.1989
国立医療学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
| DOI | 10.11261/iryo1946.43.179 |
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| Summary: | 肝癌にする免疫療法には, 異種抗原として腫瘍細胞を認識することの他に, TAE後に併発する非癌部の肝壊死発生抑制作用の重要性もあげられる. 今回, 我々は, TAE施行時にOK-432肝動脈注入を併用し抗腫瘍効果を検討した. 対象は原発性肝癌5例にTAE(lipiodol+ADM 10mg+sponzel)施行時, OK-432 10KE肝動脈注入を併用し(動注群), TAE群のみの5例(対照群)と免疫生化学的, および組織学的立場より比較した. 動注群は, 直後著明な白血球増多とリンパ球数減少がみられたが, 2週目以降になると, いずれも対照群に比し有意に高値を保つた. リンパ球サブセツトの検討では, 動注群がOKT4, OKT4/8値の減少がみられ対照群ではOKT4/8値は, むしろ増加していた. 2回のOK-432併用TAE後, 切除したVv3. Vp2進行肝癌の組織所見では, 腫瘍細胞周囲にリンパ球の集積浸潤がみられ腫瘍細胞が巻き込まれて変性崩壊する像が特徴的で, 門脈内腫瘍栓に著効を呈していた. |
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| ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
| DOI: | 10.11261/iryo1946.43.179 |