検査値の評価 様々な変動要因と恒常性
「1. はじめに」臨床検査の判定基準は, 一般的に成人の基準値を用いて判定されていることが多く, 高齢者の検査を考える場合には加齢変化や老人特有の状況を考慮する必要がある. 当センターにおける総合健診・人間ドックでは, 65~74歳の受診者が全体の7.8%, 75歳以上が1.4%を占めており, いわゆる高齢受診者はまだ10%に満たないが, 高齢化社会の波を受けて受診者年齢の平均値が年々上昇してきている. 高齢者では, 慢性疾患の既往症が多く, 複数の潜在的合併症や異常所見をもつ(表1). さらに, 身体機能の違いや日常生活の行動実態によって, 暦年齢が同じであっても個々に検査値に異なる影響を及...
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Published in | 日本未病システム学会雑誌 Vol. 14; no. 1; pp. 34 - 39 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本未病システム学会
15.07.2008
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ISSN | 1347-5541 2185-2162 |
DOI | 10.11288/mibyou1998.14.34 |
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Summary: | 「1. はじめに」臨床検査の判定基準は, 一般的に成人の基準値を用いて判定されていることが多く, 高齢者の検査を考える場合には加齢変化や老人特有の状況を考慮する必要がある. 当センターにおける総合健診・人間ドックでは, 65~74歳の受診者が全体の7.8%, 75歳以上が1.4%を占めており, いわゆる高齢受診者はまだ10%に満たないが, 高齢化社会の波を受けて受診者年齢の平均値が年々上昇してきている. 高齢者では, 慢性疾患の既往症が多く, 複数の潜在的合併症や異常所見をもつ(表1). さらに, 身体機能の違いや日常生活の行動実態によって, 暦年齢が同じであっても個々に検査値に異なる影響を及ぼしていることが少なくない. したがって, 未病検査判定の立場からはその基準値が一律に論じられる性質のものではないと考えられるが, このような状況下において, 高齢者の未病診断に関わる臨床検査値をどのように考えておけばよいかが課題となる. |
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ISSN: | 1347-5541 2185-2162 |
DOI: | 10.11288/mibyou1998.14.34 |