歯周病関連細菌に対する血清IgG抗体 第2報歯周病治療に伴う血清IgG抗体の変動

歯周病患者71人を対象として, 歯周病関連細菌に対する血清IgG抗体が, 歯周病治療に伴いどのように変動するかを調べた。歯周病関連細菌として, Bacteroides gingivalis, Actinobacilus actinomycetemcomitans, Capnocytophaga ochraceaを取り上げた。抗体の測定には, 酵素免疫測定法 (ELISA) を用いた。 処置に伴い, 各菌種に対する抗体価は下降した。なかでも, 治療が終了したものでは有意な下降が示された。また, 観血的歯周病治療後の経過日数により, 抗体価の変動の様相に違いがあった。30日未満では, 変化がないか...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 29; no. 1; pp. 146 - 154
Main Authors 水島, ゆみ, 野村, 慶雄, 熊澤, 寛, 永井, 淳, 村山, 洋二, 岡村, 和則, 光田, 由可, 高柴, 正悟, 栗原, 英見, 杉山, 雅昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.03.1987
日本歯周病学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.29.146

Cover

More Information
Summary:歯周病患者71人を対象として, 歯周病関連細菌に対する血清IgG抗体が, 歯周病治療に伴いどのように変動するかを調べた。歯周病関連細菌として, Bacteroides gingivalis, Actinobacilus actinomycetemcomitans, Capnocytophaga ochraceaを取り上げた。抗体の測定には, 酵素免疫測定法 (ELISA) を用いた。 処置に伴い, 各菌種に対する抗体価は下降した。なかでも, 治療が終了したものでは有意な下降が示された。また, 観血的歯周病治療後の経過日数により, 抗体価の変動の様相に違いがあった。30日未満では, 変化がないかむしろ上昇傾向が認められ, 30日以降には有意な下降が認められた。 以上のことから, 歯周病関連細菌に対する血清IgG抗体は, 歯周病治療に伴い変動し, 治療効果の判定に有効な指標となりうることが示唆された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.29.146