歯周疾患患者の末梢血多形核白血球機能に関する検討 第1報Chemiluminescence反応と食菌能について

最近, 歯周疾患も宿主の防御機能, 特に, 好中球との関係がいろいろ調べられているが, Chemiluminescence (CL) 反応の報告がない。そこでJpとRPP患者9名, AP患者18名について, 末梢血好中球のS. epidermidisによるCL反応と食菌能を健常者と比較, 検討した。 JPとRPP, AP患者のCL値は, 健常者の標準偏差域を超えた高い群と低い群の二群に分かれた。正常の範囲に入るものは軽症例であった。 食菌能は, JPとRPP患者が, 食菌率も好中球100個内総菌数も低下していた。患者では高い群と低い群に分かれた。CLと好中球100個総菌数との問には良いい相関が...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 29; no. 3; pp. 804 - 816
Main Authors 浜口, 茂雄, 斎藤, 和子, 長谷川, 明, 加藤, 千穂美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.09.1987
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.29.804

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Summary:最近, 歯周疾患も宿主の防御機能, 特に, 好中球との関係がいろいろ調べられているが, Chemiluminescence (CL) 反応の報告がない。そこでJpとRPP患者9名, AP患者18名について, 末梢血好中球のS. epidermidisによるCL反応と食菌能を健常者と比較, 検討した。 JPとRPP, AP患者のCL値は, 健常者の標準偏差域を超えた高い群と低い群の二群に分かれた。正常の範囲に入るものは軽症例であった。 食菌能は, JPとRPP患者が, 食菌率も好中球100個内総菌数も低下していた。患者では高い群と低い群に分かれた。CLと好中球100個総菌数との問には良いい相関が見つかった。 fMLP刺激によるCLは, 正常かむしろ亢進する値を示した。 AP患者好中球が, 機能亢進型と低下型の二群に分かれることは, 機能亢進による歯肉組織への影響と, 低下に伴なう感染防御力の低下の両面から, 病態を考える必要がある。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.29.804