歯周疾患患者の末梢血多形核白血球機能に関する検討 第2報遊走能の検索ならびに臨床所見との関連性について

• Published in: 日本歯周病学会会誌 Vol. 29; no. 3; pp. 817 - 827
• Main Authors: 浜口, 茂雄, 斎藤, 和子, 長谷川, 明, 加藤, 千穂美
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.09.1987; 日本歯周病学会
• Subjects: 多形核白血球; 成人性歯周炎; 若年性歯周炎; 遊走能; 重度進行性歯周炎
• ISSN: 0385-0110; 1880-408X
• DOI: 10.2329/perio.29.817

18～64歳の歯周疾患患者14例 (若年性歯周炎患者2例, 重度進行性歯周炎患者2例, 成人性歯周炎患者10例) の病態を臨床的に検討した。また, 末梢血多形核白血球の遊走能をBoyden chamber変法により検索した。血液検査の結果, 若年性歯周炎患者2例に, 白血球像で, 分葉型好中球の割合が増加していた。また, 血清免疫グロブリン値にも軽度の異常が認められた。多形核白血球遊走能は, 若年性歯周炎患者の2例中1例に, 重度進行性歯周炎患者の2例中2例に, 成人性歯周炎患者の10例中3例に異常が認められた。一方, 血清の多形核白血球遊走活性は, 全症例とも健常者と, 有意な差は認められなかった。以上の結果から, 早期発症型歯周炎に, 末梢血多形核白血球の遊走能異常が, 大きく関与していることが示唆された。また, 成人性歯周炎患者にも, 末梢血多形核白血球の遊走能異常を伴う症例の存在することが認められた。