薬剤投与後に急性肝炎様に増悪した悪性リンパ腫合併原発性胆汁性肝硬変 (CAH-PBC mixed type) の1例
症例は56歳男性. 中枢原発性非ホジキンリンパ腫に対して化学療法を施行し, 緩解状態にあったが, 治療終了4カ月後に急性肝障害のため入院となった. AST, ALTの上昇に加え, 胆道系酵素及びIgMの上昇が認められ, 抗ミトコンドリア抗体陽性であった. 肝生検の結果はScheuer I~II期の原発性胆汁性肝硬変に慢性活動性肝炎を合併したCAH-PBC mixed typeの像であった. ウルソデオキシコール酸 (UDCA) とbezafibrateの投与で肝機能は正常化した. 化学療法により惹起された免疫状態の変化・投与された薬物に対する免疫応答と原発性胆汁性肝硬変の急性発症との関連が示唆...
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Published in | 肝臓 Vol. 46; no. 1; pp. 33 - 40 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
2005
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.46.33 |
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Summary: | 症例は56歳男性. 中枢原発性非ホジキンリンパ腫に対して化学療法を施行し, 緩解状態にあったが, 治療終了4カ月後に急性肝障害のため入院となった. AST, ALTの上昇に加え, 胆道系酵素及びIgMの上昇が認められ, 抗ミトコンドリア抗体陽性であった. 肝生検の結果はScheuer I~II期の原発性胆汁性肝硬変に慢性活動性肝炎を合併したCAH-PBC mixed typeの像であった. ウルソデオキシコール酸 (UDCA) とbezafibrateの投与で肝機能は正常化した. 化学療法により惹起された免疫状態の変化・投与された薬物に対する免疫応答と原発性胆汁性肝硬変の急性発症との関連が示唆された. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.46.33 |