男性インポテンスに関する研究 第13報 終夜睡眠ポリグラフィによるインポテンスの鑑別診断に関する研究

機能的インポテンスと器質的インポテンスの鑑別診断法として, われわれは visual sexual stimulation (VSS) 負荷による陰茎温度曲線 (penothermocurve; PTC) や陰茎増大計測 (penile tumescence monitoring; PTM) により, VSSでPTCやPTMに反応のある症例は機能的インポテンス, 反応しない症例を器質的インポテンスと診断してきた. しかしVSSに対する反応は個人差があり, VSSに対して反応しない症例をすべて器質的インポテンスとすることは出来ないことが明らかとなつた. そこでVSSに対して反応しない38例に対し...

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Published in日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 74; no. 7; pp. 1219 - 1227
Main Authors 藤尾, 幸司, 三浦, 一陽, 中山, 孝一, 牧, 昭夫, 松橋, 求, 安藤, 弘, 村上, 憲彦, 白井, 将文, 高波, 真佐治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本泌尿器科学会 20.07.1983
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ISSN0021-5287
1884-7110
DOI10.5980/jpnjurol1928.74.7_1219

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Summary:機能的インポテンスと器質的インポテンスの鑑別診断法として, われわれは visual sexual stimulation (VSS) 負荷による陰茎温度曲線 (penothermocurve; PTC) や陰茎増大計測 (penile tumescence monitoring; PTM) により, VSSでPTCやPTMに反応のある症例は機能的インポテンス, 反応しない症例を器質的インポテンスと診断してきた. しかしVSSに対する反応は個人差があり, VSSに対して反応しない症例をすべて器質的インポテンスとすることは出来ないことが明らかとなつた. そこでVSSに対して反応しない38例に対して終夜睡眠ポリグラフィを施行しREM睡眠期に一致して nocturnal penile tumescence (NPT) がみられるかどうか検査してみた. その結果38例中REM睡眠期に一致してNPTが認められなかつたものはわずか6例のみで, 他の32例は程度の差こそあれNPTが認められ, 終夜睡眠ポリグラフィが機能的インポテンスと器質的インポテンスの客観的な鑑別診断法とし極めて有用であることが判つた. しかも単にREM睡眠期に一致してNPTが認められるか認められないかだけでなく, 勃起の程度をも明らかにすることを試みた. その結果インポテンス症例のREM睡眠期のNPTは81.5%が完全勃起であることが判明した.
ISSN:0021-5287
1884-7110
DOI:10.5980/jpnjurol1928.74.7_1219