「通痺霊」のII型コラーゲン誘発関節炎に対する作用

慢性関節リウマチ(RA)の治療には非ステロイド性抗炎症剤, 副腎皮質ステロイド剤, 免疫抑制剤および免疫調節剤が主として使用されている. 最近は漢方薬も注目され, 日本でも種々の薬剤が使われるようになっている. 「通痺霊」は中国廣州中医学院にて開発された純中医薬剤であり, RA52例における臨床治験により有効性が報告されている. しかも現在使っている西洋薬剤にくらべて副作用が非常に少ない1, 2). 「通痺霊」の作用機序は, 抗炎症, 鎮痛作用とともに免疫調節作用のあることが示された. 筆者らは, 動物実験にてこの点を明らかにするためにII型コラーゲン誘発関節炎モデルマウスに投与して, その効...

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Published in炎症 Vol. 13; no. 6; pp. 575 - 579
Main Authors 権田, 辰夫, 山内, 康平, 李, 頌華, 中村, 守彦, 小林, 裕太, 恒松, 徳五郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本炎症・再生医学会 30.11.1993
日本炎症学会
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ISSN0389-4290
1884-4006
DOI10.2492/jsir1981.13.575

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Summary:慢性関節リウマチ(RA)の治療には非ステロイド性抗炎症剤, 副腎皮質ステロイド剤, 免疫抑制剤および免疫調節剤が主として使用されている. 最近は漢方薬も注目され, 日本でも種々の薬剤が使われるようになっている. 「通痺霊」は中国廣州中医学院にて開発された純中医薬剤であり, RA52例における臨床治験により有効性が報告されている. しかも現在使っている西洋薬剤にくらべて副作用が非常に少ない1, 2). 「通痺霊」の作用機序は, 抗炎症, 鎮痛作用とともに免疫調節作用のあることが示された. 筆者らは, 動物実験にてこの点を明らかにするためにII型コラーゲン誘発関節炎モデルマウスに投与して, その効果を観察し, 併せて作用機序の解明を試みた. 《材料と方法》(1)実験動物 DBA/1Jマウス(日本チャールスリバー社より購入)雄, . 8週齢, 体重18~20gを用いた. (2)II型コラーゲン関節炎誘発方法 Courtenayらの原法に従い3), ウシII型コラーゲン(フナコシ株式会社)を0. 1M酢酸に溶解し2mg/mlとし, Freund's完全アジュバント(FCA, 三光純薬株式会社)と1:1に混和し, エマルジオンとした. これをマウス1匹当り0. 1mlを尾根部皮下に注射した. 2週間後に同じ操作で追加注射した4).
ISSN:0389-4290
1884-4006
DOI:10.2492/jsir1981.13.575