木造長屋建築の保全・再生と持続的居住に関する実践的研究 豊崎長屋における耐震改修工事と住生活の評価

大阪市北区に現存する戦前長屋群を対象に,長屋居住における生活文化の価値を明らかにし,持続的居住を実現する再生手法を実践的社会実験によって示した。(1)居住世帯の変遷と増改築の経歴を明らかにした上で,居住継承が困難になっている長屋の住生活と居住空間の今日における価値と課題を明示した。(2)伝統的木造住宅に適した耐震改修工法を初めて長屋で施工し,その有効性を検証するとともに,資金面からみた借家経営継続の展望も示すことができた。(3)全面的な改修を行った住戸では,減築による裏庭の復活をはじめ,長屋本来の特性を生かして再生した。その結果,再生長屋には多様な若年世帯が入居し,入居者による住生活評価を通じ...

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Published in住宅総合研究財団研究論文集 Vol. 37; pp. 273 - 284
Main Authors 小伊藤, 亜希子, 小池, 志保子, 桝田, 洋子, 綱本, 琴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般財団法人 住総研 2011
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ISSN1880-2702
2423-9887
DOI10.20803/jusokenold.37.0_273

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Summary:大阪市北区に現存する戦前長屋群を対象に,長屋居住における生活文化の価値を明らかにし,持続的居住を実現する再生手法を実践的社会実験によって示した。(1)居住世帯の変遷と増改築の経歴を明らかにした上で,居住継承が困難になっている長屋の住生活と居住空間の今日における価値と課題を明示した。(2)伝統的木造住宅に適した耐震改修工法を初めて長屋で施工し,その有効性を検証するとともに,資金面からみた借家経営継続の展望も示すことができた。(3)全面的な改修を行った住戸では,減築による裏庭の復活をはじめ,長屋本来の特性を生かして再生した。その結果,再生長屋には多様な若年世帯が入居し,入居者による住生活評価を通じて,長屋における持続的居住を実現できる将来展望を示した。
ISSN:1880-2702
2423-9887
DOI:10.20803/jusokenold.37.0_273