耳鼻咽喉科領域の分子生物学, 分子遺伝学 ―アレルギーの分子生物学
「HLAクラスII分子によるヘルパーT細胞への抗原ペプチドの提示(図1)」生体内に侵入した抗原は抗原提示細胞に取り込まれ, エンドソームにおいて12~20数個のアミノ酸からなる抗原ペプチドに分解される. CPL(compartment for peptide loading)は抗原ペプチドがHLAクラスII分子に結合する主な細胞内コンパートメントである. エンドソームより輸送された抗原ペプチドは, 自己のHLAクラスII分子の溝状構造に適合する場合CPLにおいてこれと結合し, 抗原提示細胞の表面に発現される(HLA―ペプチド複合体の形成). ヘルパーT細胞は抗原提示細胞表面のクラスII分子が自...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 101; no. 12; pp. 1442 - 1445 | 
|---|---|
| Main Authors | , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本耳鼻咽喉科学会
    
        20.12.1998
     | 
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0030-6622 | 
Cover
| Summary: | 「HLAクラスII分子によるヘルパーT細胞への抗原ペプチドの提示(図1)」生体内に侵入した抗原は抗原提示細胞に取り込まれ, エンドソームにおいて12~20数個のアミノ酸からなる抗原ペプチドに分解される. CPL(compartment for peptide loading)は抗原ペプチドがHLAクラスII分子に結合する主な細胞内コンパートメントである. エンドソームより輸送された抗原ペプチドは, 自己のHLAクラスII分子の溝状構造に適合する場合CPLにおいてこれと結合し, 抗原提示細胞の表面に発現される(HLA―ペプチド複合体の形成). ヘルパーT細胞は抗原提示細胞表面のクラスII分子が自己に, また, 抗原ペプチドが非自己に由来する場合HLA―ペプチド複合体をT細胞レセプターを介して認識し(いわゆる三者複合体の形成), サイトカインおよびサイトカインレセプター遺伝子などを発現することにより増殖する. CD4分子は, この複合体の結合を補助すると同時にヘルパーT細胞の増殖分化に関わるシグナルをおくる. | 
|---|---|
| ISSN: | 0030-6622 |