体外循環を用いた心臓大血管手術前後における重症度・臓器障害の変化
「要旨」当院における心臓大血管手術症例における術前後の臓器障害および重症度の推移を比較し検討を行った. 対象は体外循環を用いた30例とし, 検討項目は重症度の判定にAPACHE IIスコアを, また臓器障害の指標にSOFAスコアを用いて算出し, 白血球数および分画を術前, ICU入室時, 6, 24, 48時間後にそれぞれ測定した. APACHE IIスコアは術前に対しICU入室時のみ有意差を認めた(p=0.0141). 6時間以降に有意差は認めなかったものの, スコアリングの内訳としてA-aDO2の平均値が高値であった. SOFAは術前に対しICU入室時, 6, 24, 48時間後に有意に上...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 38; no. 4; pp. 512 - 516 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術医学会
01.12.2011
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Subjects | |
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ISSN | 0912-2664 |
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Summary: | 「要旨」当院における心臓大血管手術症例における術前後の臓器障害および重症度の推移を比較し検討を行った. 対象は体外循環を用いた30例とし, 検討項目は重症度の判定にAPACHE IIスコアを, また臓器障害の指標にSOFAスコアを用いて算出し, 白血球数および分画を術前, ICU入室時, 6, 24, 48時間後にそれぞれ測定した. APACHE IIスコアは術前に対しICU入室時のみ有意差を認めた(p=0.0141). 6時間以降に有意差は認めなかったものの, スコアリングの内訳としてA-aDO2の平均値が高値であった. SOFAは術前に対しICU入室時, 6, 24, 48時間後に有意に上昇し(p<0.0001), 24時間後がpeakであった. 原因として, P/F ratioの改善が遅延したことが挙げられた. 白血球数は術前に対し他の全てのポイントで有意に上昇した(p<0.0001). 体外循環を用いた心臓大血管手術後に発症する臓器障害は肺障害を主とした臓器障害が特徴であった. 今後は心臓大血管手術時の侵襲を様々な角度から抑制する体外循環を考慮する必要性がある. |
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ISSN: | 0912-2664 |