計画停電時の体外設置型補助人工心臓管理上の問題点と具体策

「要旨」 2011年3月11日に発生した東日本大震災直後の計画停電で体外設置型補助人工心臓の管理において問題が生じ, 対策が必要となったので考察を加えて報告する. 当時, 当センターではニプロ社製体外設置型補助人工心臓を装着した患者3名が入院中であった. 準備として, 1)スケジュールの調整, 2)バッテリーの確保, 3)エネルギーシステムの把握, 4)非常操作の再確認を実施した. 計画停電の復電時の切り替えに伴う停電で患者の見回りに遅れや, 充電器上のバッテリーの放電などが生じたが患者管理の上でトラブルは発生しなかった. 人工心臓管理技術認定士は, 患者や補助人工心臓駆動装置のみならず, エ...

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Published in体外循環技術 Vol. 40; no. 1; pp. 80 - 82
Main Authors 梅田千典, 百瀬直樹, 草浦理恵, 小久保領, 安田徹, 岩本典生, 山口敦司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.03.2013
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」 2011年3月11日に発生した東日本大震災直後の計画停電で体外設置型補助人工心臓の管理において問題が生じ, 対策が必要となったので考察を加えて報告する. 当時, 当センターではニプロ社製体外設置型補助人工心臓を装着した患者3名が入院中であった. 準備として, 1)スケジュールの調整, 2)バッテリーの確保, 3)エネルギーシステムの把握, 4)非常操作の再確認を実施した. 計画停電の復電時の切り替えに伴う停電で患者の見回りに遅れや, 充電器上のバッテリーの放電などが生じたが患者管理の上でトラブルは発生しなかった. 人工心臓管理技術認定士は, 患者や補助人工心臓駆動装置のみならず, エネルギー供給に関する情報の入手, バッテリーの安定的な管理も大きな役目であると再認識した. 植込み型補助人工心臓装着患者は自宅での療養が主となるため, 医療者が常駐していない一般家庭では, 計画停電に備えての対策がより一層必要である.
ISSN:0912-2664