高精度成分分析装置を用いた術後浮腫値と水分出納の関連性について

「要旨」体外循環施行症例において高精度成分分析装置を用いて, 術前後の細胞外水分率(浮腫値)と水分出納量, DUF量などとの関連性について検討した. CPB出納量がプラスをA群, マイナスをB群として, 術前後の細胞外水分率を測定し, 水分出納量・DUF量・総タンパク(TP)値・肺酸素化効率の指標(M index)などについて比較検討した. CPB出納量はA群282±582mL, B群-339±480mLであった(p<0.001). 術前後の浮腫値はA群0.381±0.006, B群0.391±0.010(p<0.01), A群0.410±0.007, B群0.409±0.010で術前のA群が...

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Published in体外循環技術 Vol. 39; no. 1; pp. 51 - 53
Main Authors 蓑田英明, 堤善充, 中田正悟, 青野宏美, 井福武志, 安永弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.03.2012
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」体外循環施行症例において高精度成分分析装置を用いて, 術前後の細胞外水分率(浮腫値)と水分出納量, DUF量などとの関連性について検討した. CPB出納量がプラスをA群, マイナスをB群として, 術前後の細胞外水分率を測定し, 水分出納量・DUF量・総タンパク(TP)値・肺酸素化効率の指標(M index)などについて比較検討した. CPB出納量はA群282±582mL, B群-339±480mLであった(p<0.001). 術前後の浮腫値はA群0.381±0.006, B群0.391±0.010(p<0.01), A群0.410±0.007, B群0.409±0.010で術前のA群が低値を示した. DUF量はA群:2,420±1,240mL/hr・B群2,040±1,480mL/hrでB群が有意に低値を示した(p=0.032). 最低TP値はA群4.4±0.4g/dL・B群4.6±0.6g/dLであり, 術後のM indexにおいても有意差を認めなかった. 今回, 両群間の最低TP値に差がないことを踏まえると, CPB中はA群のように術前の細胞外水分量が標準値ではあるが, 比較的低値である場合において, B群よりも細胞外への水分移動が生起しやすい環境であることが考えられた. 今回の症例において水分出納とDUF, TPとの関連性は見い出せなかったが, 今後更なる検討を行っていきたい.
ISSN:0912-2664