前立腺癌に対する高線量放射線治療 強度変調放射線治療(IMRT)でなくとも高線量照射は可能である

〈目的〉当院では放射線治療機器を更新した後,限局性前立腺癌に対する根治放射線治療として高線量外部照射を実施してきている。今回は照射技術を中心に当院での治療方法を報告する。 〈方法〉 《使用機器》C アームライナック(三菱電機社製),自走式4列マルチスライスCT アステオン(東芝製)。寝台は放射線治療装置とCT とで共有されておりこれら機器は180度の位置に設置(CT on rail system)されている。 《治療計画装置》ピナクルVer.7.3i。《治療手順》治療装置同室CT にて放射線治療計画用画像を撮像する。これを使用して治療計画を実施。前立腺部への放射線治療は360度回転原体照射と左...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 251
Main Authors 長沼, 敏彦, 熊本, 隆司, 松本, 好正, 福原, 昇, 水上, 律子, 伊藤, 和正, 笹本, 孝広, 飯村, 高行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2009
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.58.0.251.0

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Summary:〈目的〉当院では放射線治療機器を更新した後,限局性前立腺癌に対する根治放射線治療として高線量外部照射を実施してきている。今回は照射技術を中心に当院での治療方法を報告する。 〈方法〉 《使用機器》C アームライナック(三菱電機社製),自走式4列マルチスライスCT アステオン(東芝製)。寝台は放射線治療装置とCT とで共有されておりこれら機器は180度の位置に設置(CT on rail system)されている。 《治療計画装置》ピナクルVer.7.3i。《治療手順》治療装置同室CT にて放射線治療計画用画像を撮像する。これを使用して治療計画を実施。前立腺部への放射線治療は360度回転原体照射と左右からの固定2門照射を追加している。回転原体照射ではマージンは全方向5mm の均一に設定している。左右からの追加照射は当初は左右対向2門照射としていたが現在はC アーム角を頭側へ15度傾けた位置で90~95度とそれに対称な位置から照射を実施している。追加照射の際には照射野の後方は直腸前壁部から数ミリ残して残りの直腸はすべて遮蔽している。この方法で作成した線量分布図を確認して必要な場合には再度照射野を調整している。実際の照射の際には放射線治療装置同室CT を利用した位置決めを毎回実施している。 〈結果〉本法にて2005年1月から2009年3月まで194例の前立腺癌症例に対して76Gy から線量増加を開始し86Gyまで治療を実施してきている。急性期有害事象は軽度の頻尿のみであり重篤な有害事象の発生はない。 〈考案〉本放射線治療照射技術はいわゆるIMRT とは異なる。治療計画および検証は通常の放射線治療と同様であり実施するうえで職員への負担も少ない。しかし得られる線量分布は良好でありこれまでに重篤な合併症は認めていない。IMRT は放射線照射法のひとつでしかなくIMRTでなくとも前立腺部への高線量照射は可能である。
Bibliography:27-17
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.58.0.251.0