回復期リハビリテーションの意義と医療連携 Pay for Performance(P4P)を踏まえて

回復期リハビリテーション(以下,回復期リハ)病床の増床に伴う,質向上に向けた取り組みの経験について報告する。2008年10月からセンターの回復期リハ病床を44床増床し,全体で267床,鹿教湯病院で233床の回復期リハ病床を運営している。同時に質向上にも取り組み,1)療法士の病棟専任化,2)「経過記録」への多職種経時記載による診療情報の一元化,3)多職種による合同入診とリハカンファレンスの実施,4)365日のリハ,を実現した。昨今,急性期医療機関の機能確保という観点から当院に紹介される回復期リハ対象患者の発症から入院までの期間が短縮されつつあり,循環や呼吸などに問題を有する重症例が増加している。...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 165
Main Authors 田村, 治子, 栗木, 淳子, 久保田, 裕一, 前田, 道宣, 西島, 博, 柳澤, 貴恵, 中村, 淳子, 宮沢, 正樹, 高松, 道生, 北野, 浩二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2009
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.58.0.165.0

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Summary:回復期リハビリテーション(以下,回復期リハ)病床の増床に伴う,質向上に向けた取り組みの経験について報告する。2008年10月からセンターの回復期リハ病床を44床増床し,全体で267床,鹿教湯病院で233床の回復期リハ病床を運営している。同時に質向上にも取り組み,1)療法士の病棟専任化,2)「経過記録」への多職種経時記載による診療情報の一元化,3)多職種による合同入診とリハカンファレンスの実施,4)365日のリハ,を実現した。昨今,急性期医療機関の機能確保という観点から当院に紹介される回復期リハ対象患者の発症から入院までの期間が短縮されつつあり,循環や呼吸などに問題を有する重症例が増加している。その事は回復期リハ病院に亜急性期医療機関としての機能を求めており,当院では神経・呼吸器・消化器・循環器内科,整形外科,脳外科の臨床各科が対応している。また,急性期医療機関と連携協定を結び,連携パスに基づいた回復期リハを行うと同時に必要に応じて重症化例の逆転院を行っている。2008年度診療報酬改定において,わが国で初めて医療の質的評価であるP4P(Pay for Performance)が回復期リハに導入された。在宅復帰率や身体機能の回復度などの結果に基づいて診療報酬を区別する事は,Structure(施設,スタッフなど)やProcess(パスやガイドラインなど)のみでなく,Outcome(結果)が評価される時代の到来を意味している。結果が全てではないが,患者にとって最も重要な「転帰」を評価する試みは今後医療全体に関わる基本的視点として重要である。また,急性期医療機関と亜急性期医療機関としての機能を備えた回復期リハ病院の連携は今後さらに緊密さが要求されるようになり,その事が急性期医療機関での急性期リハビリテーションのあり方にも影響を与えてゆくものと考えられる。
Bibliography:17-20
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.58.0.165.0