体外循環用血液ガスモニタの信頼性

「要旨」体外循環66例において, 体外循環用血液ガスモニタ(CDI500)と各種検査装置の測定値を比較し, 信頼性を検討した. その結果, pH, PCO2に関しては, CDI500の測定値と血液ガス分析装置の値には極めて強い相関があり, 送・脱血側でほぼ同様の回帰直線(近似式)を示した. したがって, 信頼性は高く, 送・脱血の区別なく使用できると考えられた. PO2に関しては, 高圧(PaO2)域に適したセンサーを低圧(PvO2)域にも用いていると考えられ, 測定値が80mmHg以下の場合には注意が必要である. K+は再校正後でより強い相関を示し, 最初の再校正は重要であるが, それ以降の...

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Published in体外循環技術 Vol. 37; no. 1; pp. 10 - 14
Main Authors 樋口浩二, 鈴木章司, 加賀重亜喜, 榊原賢士, 木村光裕, 加藤香, 松本雅彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.03.2010
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」体外循環66例において, 体外循環用血液ガスモニタ(CDI500)と各種検査装置の測定値を比較し, 信頼性を検討した. その結果, pH, PCO2に関しては, CDI500の測定値と血液ガス分析装置の値には極めて強い相関があり, 送・脱血側でほぼ同様の回帰直線(近似式)を示した. したがって, 信頼性は高く, 送・脱血の区別なく使用できると考えられた. PO2に関しては, 高圧(PaO2)域に適したセンサーを低圧(PvO2)域にも用いていると考えられ, 測定値が80mmHg以下の場合には注意が必要である. K+は再校正後でより強い相関を示し, 最初の再校正は重要であるが, それ以降の再校正は必要ないと考えられた. SvO2, Hctにおいても極めて強い相関が見られた. メーカー推奨の測定値補正法(再校正)では, 測定値が再校正時の値と解離した場合には大きな誤差が生じている危険性がある. CDI500と各種検査装置の測定値の相関が良好なことから, 頻回に再校正を行うよりも各測定項目の近似式を測定誤差の補正に利用するほうが, 信頼性において有用と考えられた.
ISSN:0912-2664