EBCT (electron beam CT) による冠動脈石灰化検出と運動負荷心電図の比較, 及び加齢の影響について
冠動脈疾患疑いで冠動脈造影 (以下, CAG) を行った196名につき, EBCT単純撮影による冠動脈石灰化検出とトレッドミル負荷心電図検査 (TM) を行い, 冠動脈疾患に対する診断的有用性及び加齢の影響について検討した. 全症例では, CAGに対するEBCTの sensitivity は88.5%, specificity 76.9%, positive predictive value (PPV) 88.5%, negative predictive value (NPV) 76.9%であり, トレッドミル負荷心電図では, それぞれ66.4%, 72.3%, 82.9%, 51.6%と,...
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Published in | 日本老年医学会雑誌 Vol. 35; no. 8; pp. 626 - 630 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年医学会
25.08.1998
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Subjects | |
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ISSN | 0300-9173 |
DOI | 10.3143/geriatrics.35.626 |
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Summary: | 冠動脈疾患疑いで冠動脈造影 (以下, CAG) を行った196名につき, EBCT単純撮影による冠動脈石灰化検出とトレッドミル負荷心電図検査 (TM) を行い, 冠動脈疾患に対する診断的有用性及び加齢の影響について検討した. 全症例では, CAGに対するEBCTの sensitivity は88.5%, specificity 76.9%, positive predictive value (PPV) 88.5%, negative predictive value (NPV) 76.9%であり, トレッドミル負荷心電図では, それぞれ66.4%, 72.3%, 82.9%, 51.6%と, EBCTの有用性が高かった. これは, 各年齢層別にみても同様の結果であった. 特に高齢者では運動負荷でのNPVが低下する傾向にあったが, この原因として, 運動負荷終了理由として leg fatigue や dyspnea で終了することが多く十分に負荷がかけられないことや, 内服薬の影響が考えられる. これらのことより, 冠動脈疾患の診断においてはEBCTの方がTMより優れており, 特に高齢者においてその傾向が強いことが示唆される. |
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ISSN: | 0300-9173 |
DOI: | 10.3143/geriatrics.35.626 |